タービンの誇り:戦後日本を支えた技術の物語
(著) 久保田富也
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【2022年に発刊された『タービンの足音 : 47年の回想【電子書籍版】』の改訂版です】
―タービンの火を燃やし続ける。それが技術者の誇り―
激動の時代にあって、技術者としての誇りを胸に秘め、タービン製造の道を切り開いた著者の物語。本書は、日立がドイツのAEG社と技術提携を結び、タービン製造の新たな地平を切り拓いた歴史的な瞬間から始まります。
当時、桜田事件や5.15事件が日本中を揺るがし、不穏な空気が立ち込めていました。そんな中、日立は世界に通用する技術を手に入れるべく、ドイツとの技術交流に挑戦しました。著者はその一員として、技術の最前線に立ち続けました。
日中戦争の勃発と共に、陸上タービンの製造に着手した著者は、次第にその技術を船舶用タービンへと応用していきました。戦火の中で、彼の情熱と努力は一層輝きを増し、設計技師としての腕を磨き続けたのです。戦時中の厳しい環境下での挑戦と挫折、そして成功の物語が、リアルに綴られています。
この作品は、単なる技術の歴史ではありません。著者自身の人生と技術者としての成長が重なり合う、日本タービン技術史ともいえる壮大な物語です。彼が設計したタービンが日本の産業を支え、海を越えた未来への架け橋となる過程は、まさに技術者の誇りと情熱が紡ぎ出す奇跡の記録です。
読者は、タービン技術の進化と共に、当時の社会情勢や技術者たちの奮闘を追体験することができます。日立が世界に誇るタービン技術の礎を築いた著者の歩みは、日本の技術史において欠かせない一ページとなっています。
―タービンの火を燃やし続ける。それが技術者の誇り―。この言葉の真意を、ぜひ本書を通じて感じ取ってください。技術者たちの情熱と努力の結晶が、ここにあります。
[著者略歴]
久保田 富也(くぼた とみなり)
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