知られざる作家・豊島与志雄をめぐる旅──国松春紀著作集

(著) 国松春紀

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作品詳細

[商品について]
―豊島与志雄の生きた証を求めて―
学生時代、あるフランス人作家の全集に寄せられた小文に心を惹かれた著者は、それが豊島与志雄という作家によって書かれた文章だと知る。それをきっかけに、彼の著作集を本屋で取り寄せると、いよいよ本格的に豊島与志雄を求める旅が始まったのだった。ーー本書はかつて神奈川県の高校で教員を務めていた著者が、豊島与志雄にまつわる文献を求めて、あちこちの図書館の本を片っ端から読み漁った学生時代の記憶や、その中で主に自身の研究成果をまとめて発行した個人誌「山猫通信」の詳細などを振り返った一書である。そのほか、神奈川県の文学散歩の記録をはじめ、自身に多大な影響を及ぼした作品の論考、また自作の短歌なども多数収録。まさに著者の文学人生を集約した著作集となっている。

[目次]
『豊島与志雄全集』の余白に──豊島与志雄の文献を探索して──
プロムナード・豊島与志雄没後四十四年
プロムナード・私の中の「豊島復活」、豊島作品の外国語訳
プロムナード・豊島与志雄忌(猫性忌)
個人誌「山猫通信」をめぐって
プロムナード・緑色ずくめの紳士、消えた映画館
豊島与志雄生誕の地を訪ねて(福岡県朝倉市小隈)
再び『豊島与志雄全集』の余白に
「山猫通信・宮ヶ谷版」第17号 2017年8月1日発行
ある二都物語──豊島与志雄『秦の憂愁』──
関口安義著『豊島与志雄研究』(新刊紹介)
ジャンルの自由に向かって(誌上出版記念会)
横浜空想旅行
岸田吟香と私
横浜の外国人居留地
鶴見区と作家たち
鶴見線に乗って―文学散歩実施報告
霧笛橋の下で――『神奈川県近代文学資料』
北條民雄「道化芝居」を読む
忘れられない本 ――ヘルマン・ブロッホ「ウェルギリウスの死」
黒沢明とドストエフスキー──映画「白痴」を見て
はじめまして(日本エスペラント学会入会挨拶)
学校に緑の風を(エスペラント実践報告)
「山猫通信」、深井さん、大泉黒石、永山則夫
大泉黒石――人と作品、文献探索の方法
私と文献探索――大泉黒石、小林勝、獄中作家
「獄中作家文献目録」(永山則夫没後十七年記念)について
プロムナード・永山則夫
私の好きな歌 My Favorite Songs
私の墓場放浪記
短歌少々
〈付録〉
著者プロフィール

[担当からのコメント]
『レ・ミゼラブル』や『ジャン・クリストフ』の訳者として知られるものの、夏目漱石や芥川龍之介などに比べると知名度の低い豊島与志雄。そんな彼の生誕地を訪ねたり、また自身に縁の深い横浜の地を歩きながらその歴史に思いを馳せる著者の文章には、自分の好きなものをとことん研究し、味わうことのロマンが溢れています。ぜひ、ご一読ください。

[著者プロフィール]
国松春紀(くにまつはるき)
1951年5月、千葉県船橋市生まれ。
同年8月から約30年間、東京新宿に居住する。
神奈川県立高校元教員。
神奈川県高校教科研究会国語部会郷土文学資料調査委員会で活動する。
私の調べたものは合冊本『神奈川県近代文学資料』全2巻(1988、1998)に収録。
個人誌「山猫通信・宮ヶ谷版」発行人。(都立中央図書館・日本近代文学館・神奈川近代文学館等所蔵)
『国松春紀書誌選集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』金沢文圃閣(2013、2015、2016)
『私の東京――消えた庭園と戦争遺跡』文芸社(2020)……『東京ノスタルジア』の原型
『硝子戸の外「山猫通信」他』私家版(2022)……本書の原型
『東京ノスタルジア――追憶紀行』22世紀アート(2023)
現在、横浜市在住。

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