真の自己探求:現代社会における虚構と現実

(著) 矢島杜夫

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作品詳細

[商品について]
―いま、人々は虚構の世界を相手にしている―
近年、人々は現実との接点を失い、架空の世界に没頭する傾向が顕著になっている。この傾向はインターネットなどの先端技術の普及によって促進されており、とりわけAI技術の発展は人々の生活を様々な面で便利にした一方で、人間の創造性や個性を奪い、また人々を虚構の世界へと導きつつある。このような時代を生きる私たちの本当の自己とはどこにあるのだろうか。そしてどうしたら本当の自己に辿り着けるのだろうか。本書は、モンテーニュやデカルト、さらには親鸞といった先人たちの思想に触れながら、それらの問いに鋭く迫った一書である。

[目次]
はしがき
第Ⅰ部 内的関連性の喪失と虚構の世界 ―価値の転倒―
 序文
 第一章 交換価値と使用価値 ―交換価値の独走―
 第二章 視覚と触覚 ―視覚の独走―
 第三章 理知の世界と心情の世界 ―理知の世界の独走―
第Ⅱ部 内的関連性の喪失と虚構の世界 ―真の自己を求めて―
 序文
 第一章 自己の自覚 ―その歴史的経緯―
 第二章 自己の外的判断と内的洞察
 第三章 真実の自己の探求(A)―物心二元論の克服―
 第四章 真実の自己の探求(B)―ハイデガーの『存在と時間』―
第Ⅲ部 内的関連性の喪失と虚構の世界 ―あるべき自己を求めて―
 序文
 第一章 個人(自己)と社会
 第二章 自己(個人)と宗教
 第三章 親鸞における「自力」と「他力」
 第四章 道元の『正法眼蔵』
 まとめ
〔結論〕
補論 ヨーロッパ的思考を超えて ―物心二元論の根本的誤謬―
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
SNSの普及により、人類は絶えず新しい情報をキャッチしたり、写真や動画を通して自分を様々に表現できるようになりました。しかし一方で、いったいどの情報が真実なのか、そしてどの自分が本当の自分なのか、その見極めが難しくなりつつあります。そんな現代社会の本質に迫る本書、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
矢島 杜夫(やじま もりお)
一九四七年 東京都に生まれる
一九七一年 国学院大学文学部哲学科卒業
一九七三年 同大学院経済学研究科修士課程修了
一九九五年 経済学博士

専攻
社会思想史

著書
『J・S・ミルの社会哲学』(一九八二年、論創社)
『近代イギリス政治思想史』(共著、一九八八年、木鐸社)
『ミル「論理学体系」の形成』(一九九三年、木鐸社)
『権威と自由』(一九九六年、御茶の水書房)
『ミル「自由論」の形成』(二〇〇一年、御茶の水書房)
『ミルの「自由論」とロマン主義――J・S・ミルとその周辺』(二〇〇六年、御茶の水書房)
『民主主意と「知の支配」』(二〇一二年、御茶の水書房)
『ヴィクトリア時代の思潮とJ・S・ミル』(共著、二〇一三年、三和書房)
『近代民主主義の罠――論文・評論集(思想・政治・経済篇)』(二〇一七年、御茶の水書房)
『近代的知性の迷妄――心情の美徳の喪失――』(二〇二一年、御茶の水書房)

訳書
A・ベイン『J・S・ミル評伝』(共訳、一九九三年、御茶の水書房)

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