日本のロケット─その開発の流れ&エピソード
(著) 上條謙二郎
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―先人たちの情熱の時間は、やがてH2ロケットのエンジンとなって結実する―
宇宙を舞台とした米ソの覇権争いの空気が濃厚に残っていた1969年、大学院博士課程を修了した著者は助教の推薦を断って科学技術庁航空宇宙技術研究所(NAL)に入庁した。しかし宮城県角田市のはずれにある研究所に配属され新しい国産ロケットの研究開発への意欲を燃やしていた矢先、日本のロケット開発はアメリカからの技術導入によるNロケットで行くという方針が決定される。それは「液体酸素と液体水素の先進的ロケットを研究する」という支所長の呼びかけのもと、高速ロケットポンプとインデューサの実験研究という未知のフロンティアに挑む日々の始まりとなったーー約30年にわたって日本のロケット開発に携わり、H2ロケットをはじめとする現在の国産ロケットの礎を築いた著者が語る日本ロケット開発秘史。
[目次]
―はじめに―
―日本のロケット―
(国内での競争相手)
(日系人技術者の心配)
(LE-7エンジン)
―パサデナでの日々―
―旋回キャビテーション―
(旋回キャビテーション1)
(旋回キャビテーション2)
(旋回キャビテーション3)
―外国からの訪問研究者―
(バレピン氏)
(ドーダン長官)
(少しは恩返しも)
―最後に―
著者略歴
[担当からのコメント]
常に「その予算を福祉にまわせば」といった議論に晒される宇宙開発の世界で、夢と可能性を追い、そして成果を求められる技術者の姿の一端を本書では垣間見ることができます。人類の新たなフロンティアである宇宙開発にかける技術者たちの情熱を、ぜひ感じていただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
上條謙二郎
1940年 長野県下伊那郡松川町に生まれる
1969年 東京工業大学大学院博士課程終了
工学博士号取得
同 年 航空宇宙技術研究所入所
1993年 航空宇宙技術研究所 角田宇宙推進技術センター
ロケット推進研究部長
1996年 東北大学教授
流体科学研究所勤務
2000年 宇宙開発事業団招聘開発部員(2007年まで)
2004年 定年により東北大学を退職
同 年 紫綬褒章を受章
2014年 瑞宝中綬章を受章
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