[歌集]月見草──行き来し歳月のなかで
(著) 小井川敏子
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―その言葉から、響きから、温もりが伝わる―
肉じやがをふつふつ煮つつ職場での解決できぬ仕事を思ふ
苗つくり育てしさつまの丸干しを定年帰農の人ら自慢す
連休に泊まれる次男の孫あやすねんねんころりが厨に届く
行き詰るわが背をそつと押しくるる夕べを白く咲く月見草
ガラケーをらくらくスマホに乗り換ふる七十五歳の小さき挑戦
(本書より)
38年間、日記を綴るように丁寧に紡いだ言葉たち。埼玉県の農村を見つめながら、妻として、母として家族とともに過ごしたかけがえのない日々を、読む人の心をそっと包み込むようにやさしく歌い上げた著者の自分史的歌集。
[目次]
讃美歌 一九八二(昭和五十七)年~一九九一(平成三)年
あしなが募金 一九九二(平成四)年~二〇〇一(平成十三)年
朝摘み苺 二〇〇二(平成十四)年~二〇一一(平成二十三)年
枝垂れ花桃 二〇一二(平成二十四)年~二〇一九(平成三十一)年
跋 石川勝利(「花實」副代表)
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
短歌の面白さと言えば、限られた言葉のなかに様々な風景や作者の心情が読み取れるところにあると思います。仕事に家庭、ときには旅の思い出など、その時々に著者が体験したワンシーンが鮮やかに心に思い浮かぶ本書は、まさに短歌を味わいたいすべての人におすすめの一書となっています。ぜひ、ご一読ください。
[著者略歴]
小井川敏子
1942年5月 埼土県入間郡高麗村(現日高市)に生まれる
1962年10月 埼玉県日高町役場に入庁
1967年6月 退職
1970年3月 日本女子大学家政学部(通信制)卒業
1970年4月 埼玉県農林部に入庁
2002年3月 退職
退職後、
保護司・町農業委員・町図書館協議会委員
農村女性交流サポーター・NHKふるさと通信員等歴任
1982年10月 花實入会
2018年5月 花實賞受賞
所属 「花實」「埼玉県歌人会」「紫舟会」
2010年~2021年 花實吉見支部長
2014年~2019年 吉見町文芸団体連絡協議会長
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