生きもの奇譚集──儚くも面白き三つの物語
(著) 三潴信道
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―小さな生き物たちの、大きな物語―
越後の国の住人、鮭の大介鰭長は、主食の米御料に仕える副食の首座を獲得するため、息子の太郎粒実とその弟・次郎弼吉を都に派遣する。しかし、そこではすでに大豆の御料の子息である納豆太郎糸重が米御料の寵愛を受けていた。息子たちが都で屈辱的な扱いを受けたことを知った鮭の大介は、自分たち魚類をはじめ、獣や鳥らを含めた肉食料理の素材から成る魚鳥軍を組織し、納豆太郎糸重を筆頭とした菜食料理を支える素材の精進軍に戦いを挑む。ーー魚鳥と精進物が、主食に相応しい副食の座をかけて合戦を引き起こす「新魚鳥平家」のほか、薄(すすき)が美しい八重桜に恋をしたことから、木と草の争いへと発展する「新草木太平記」、ある秋の夜に三十六匹の虫たちが思い思いに歌を詠む「新こおろぎ草子」の三つの物語を収録。動植物が織りなす興奮とユーモアが楽しい一書。
[目次]
第一話 新魚鳥平家
一、序
二、都
三、鬱憤
四、出陣
五、対応策
六、緒戦
七、決戦
第二話 新草木太平記
一、薄の恋
二、草木の確執
三、宇治茶評定
四、開戦
五、名将登場
六、桜の道心
第三話 新こおろぎ草子
一、序
二、虫愁迷月の歌会
三、散会
著者略歴
[担当からのコメント]
かつて、平家物語など既存の物語のパロディとして、動物や植物が人間のように振舞い、活躍するお話が人々に親しまれました。本書に収録されている物語も、古典の雰囲気を残しつつ、現代の私たちが読んでも存分に楽しめる内容となっています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
三潴 信道(みつま・のぶみち)
一九四四年 東京都港区生まれ。神奈川県藤沢市在住。
都立新宿高校・早稲田大学 政経学部出身
日本勧業銀行(のち第一勧業銀行、現みずほ銀行)および同関連会社勤務の後、定年退職。
直心影流剣道 百錬会顧問
藤稲言葉遊びの会代表
著書に「小説 私編落窪物語」
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