「正法眼蔵 山水経」私釈──おのづから賢をなし、聖をなす
(著) 松岡由香子
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―道元にとっての”時間”と”自然”―
鎌倉初期の僧侶であり、日本に坐禅の思想を確立させた一人としても知られる道元の主著『正法眼蔵』。禅の真理を追求する一方で、人間や世界に対する深い洞察も込められたこの書の二十九巻に位置する「山水経」には、道元のきわめて独自な思想が言語化されている。辺りの山々も紅葉し、すっかり秋も深まりを見せた深草の興聖寺で、四十一歳を迎えた道元は何を思ったのだろうか。ーー本書では、豊富な先行研究を参考にしながら、仏教や坐禅に深い知見を持つ著者による「山水経」の私釈をまとめている。かなり長く、ほかの巻に比べても難解なパートとされてきた「山水経」の真意をいま解き明かす。
[目次]
凡例
はじめに
一章 而今の山水
二章 東山水上行
三章 水の現成
四章 山水と賢聖
[担当からのコメント]
道元という名前を聞いたことがあっても、彼がどんなことを書き残したのかということを知っている人は意外と少ないのではないかと思います。一見難しい内容に見える『正法眼蔵』ですが、本書ではその中でも道元が時間・空間や自然に対する洞察を記した「山水経」を丁寧に検討していますので、道元を研究している方はもちろん、仏教に少しでも興味のある方にもおすすめの一冊です。
[著者略歴]
松岡由香子(まつおかゆかこ)
1945年 静岡県に生まれる。
1982年 京都大学文学部博士課程満期修了
日本キリスト教団牧師
山水庵で日曜礼拝と坐禅会を行なっている。
著書
『親鷲とパウロ』(筆名 真木由香子)(教文館 1988)
『古仏道元の思惟』(『研究報告』三号花園大学国際禅学研究所 1995)
『道元』(大乗仏典 中国日本篇23)共著の現代語訳(中央公論社 1995)
『仏教になぜ浄土教がうまれたか』(ノンブル社 2013)
『正法眼蔵第一 現成公按 私釈』(東京図書出版 2017)
『正法眼蔵第三 仏性 私釈』(七つ森書館 2018)
『正法眼蔵第二 摩訶般若波羅蜜 私釈』(風詠社 2020)
『インド仏教と初期禅宗の坐禅と覚り』(風詠社 2021)
『初期仏教経典成立史試論』(風詠社 2022)
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