懐中時計:歌集【電子書籍版】
(著) 木立徹
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[商品について]
―巻き戻すことのできない時を、言葉に託す―
不意にまた柱時計がつぶやきて 記憶のかけらをコトリと落とす
大切な何かがひとつ音もなく 弾けて秋の夕暮れとなる
遠き日の海の記憶は霧となる アンモナイトの吐息のやうに
音もなく人事リストが打ち出され しんと空気の淀む事務室
(本書より)
小さな心の遺産をまだ見ぬあなたに届けたい。そんな想いがあふれる厳選した短歌百八十首をフルカラーの背景とともにお届けする、「言葉のアート」が心に沁みる歌集。
[目次]
地球の色
時計
黒髪
秋の夕暮れ
花のいのち
月の光
初恋
恋の糸
十和田湖
波の語らひ
集魚灯
風の声
夕焼け
残照
青き彗星
八戸石灰鉱山(八戸キャニオン)
遠き日の匂ひ
空蟬
三叉路の灯
雨
熱き吐息
春もみぢ
いのち湧く泉
春の白雲
やませ
影法師
アンデルセンの靴音
ファックスのため息
琥珀色の街
父よいづこに
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
本書の中にあるのは、ひとつの人生の中にある情景です。それが三十一文字の言葉となるとき、読むものの心に宿っていつかその人の人生の情景となる、そんな趣きを感じる作品となっています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
木立徹(きだち・とおる)
昭和三十一年十月 青森県八戸市生まれ
平成十三年 第二十二回全日本短歌大会 文部科学大臣奨励賞(第一位)
平成十四年 第二十三回全日本短歌大会 文部科学大臣奨励賞(第一位)
平成十四年 第二十七回青森県短歌賞
平成十四年 第二十二回全国万葉短歌大会 万葉大賞
平成十六年 第一歌集「懐中時計」出版
平成十八年 第百十四回明治記念綜合短歌大会 特選
平成二十年 第九回NHK全国短歌大会 特選
平成二十二年 第十一回NHK全国短歌大会 特選
平成二十二年 鶴岡八幡宮献詠歌 宮司賞
平成二十六年 短歌グループ「希望の会」設立。代表となる。
平成二十九年 八戸市文化協会 芸術文化褒賞
平成三十年 第十九回NHK全国短歌大会 特選
平成三十年 第十回啄木のふるさと「もりおかの短歌」年間最優秀賞
平成三十年 鶴岡八幡宮献詠歌 宮司賞
令和二年 八戸市文化賞
令和三年 靖國神社献詠歌 預選歌入選
令和四年 青森県歌人功労賞
令和四年 角川全国短歌大賞 角川文化振興財団賞
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