長崎の唐人屋敷物語
(著) 板垣衛武
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―かつて長崎には、熱く明るい風が吹いていた―
清国の内乱によって激減していた唐船が、長崎に戻ってきた。その日、唐船が停泊している間に祀られている「媽祖像」を唐寺に預ける「菩薩(ぼさ)揚げ」の行事に来ていた善太は、押し寄せる見物人を機転をきかせて捌いたことがきっかけで菩薩揚げの先達を務めることとなる。宿町当番として目覚ましい働きを見せながら、唐人への離れがたい思いが芽生えていく善太。ある日唐人屋敷建設の話を聞いた善太は、居ても立ってもいられなくなり、仕事の合間をぬって現場を訪れるーー唐船との交易により栄える長崎を舞台に、純真な若者と唐人の交流と別れを温かな筆致で描いた、知られざる日中交流の物語。
[目次]
一、唐船の来航
二、菩薩(ぼさ)揚げ
三、御崎道(みさきみち)(別名抜け荷道)
四、唐人屋敷の建設
五、唐人屋敷の賑わい
六、別れと旅立ち
付記
主要参考文献
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
どんな人も時代や国家というものからは逃れることができませんが、そうしたものを超えて生まれる人と人との交流こそ大切にしていかなければならないのだと本書を読みながら改めて思います。善太の姿に貴方は何を感じるでしょうか。ぜひ手に取ってご覧いただけば嬉しく思います。
[著者略歴]
板垣 衛武(いたがき・もりたけ)
1935年生まれ。中国天津市で育ち、終戦で両親の郷里島根へ引き揚げた。
玉湯中学、松江高校(現松江北校)、大阪市立大学商学部卒業。
シャープ株式会社勤務後、自営業。
リタイアして、同人誌「関西文學」、「文藝かうべ」で、主として島根と大阪の歴史小説を発表してきた。
兵庫県西宮市在住
電子書籍著書
「石見銀山―須佐高櫓城と銀山山吹城」『関西文學』
第六十四号(二〇〇八年三月発行)
「石見銀山―釜屋間步と大久保間步」『文藝かうべ』
第三号(二〇一二年十一月発行)
『大坂の堀川と橋ものがたり』(二〇一七年十一月発行 文芸社)
『松江藩のお種人参から雲州人参へ:島根の歴史小説』(二〇一八年二月発行 22世紀アート)
『石見銀山ものがたり:島根の歴史小説』(二〇一八年九月発行 22世紀アート)
『石見浜田藩異端船頭二代記』(二〇一九年四月発行 22世紀アート)
『長崎浦上四番崩れ』(二〇二二年一月発行 22世紀アート)
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