ユウーーこれがぼくらの:m.詩集
(著) m.
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―この世界の曲がり角を、言葉の先にある明日の行方を―
きみもぼくも、形のなかったころ(もちろん魂などはない)
ぼくらはあらゆる視線だったし、匂も音も、星の生き死にと同じだった
ぼくらはすべてを感じていたし、だから何も感じてはいなかった
ぼくらはグローバルに、そしてコスミックに、どこにも存在し、なかったから
神のようにぼくらは、七色の無限倍、世界を塗りたくって死ななかった
産んでは溶けるぼくらの世界は、無数の〈それぞれ〉で(ス・ナツブも)
無尽に〈世界〉が隠れあって、滲透していた
生まれ落ちてぼくらは、(唐突に、)ヒト粒ヒト粒、なのに
砂粒に屹立して(ケチな背くらべ)、世界をさらった
と思ったら、さらわれてぼくら、次々に、
底無しの行手に〈世界〉を繰り出されて(みんな自分の幻だ)
自壊の〈普遍〉に飢餓してぼくら、
むさぼりながら死なねばならなくなった(虹の果樹園)
(「懸想するノスタルジア」より)
詩想の狭間に火花のように瞬く言葉の世界を、現実の中にゆらめく血肉の世界を、鋭い感性で見事にもぎ取った瑞々しく心に刺さる第5詩集。
[目次]
散会のあとの風景
(もっと光を!)
時のトルネード
ハレーハレハレ
(ユッグドラシル!)
幻想のプリマヴェーラ
空子寿歌
懸想するノスタルジア
泡咲く蓮華座
Tsunami
「明日はどっちだ」!
Tsunami2 *(H23)二〇一一・三・一一
反-復興論
世界革命論遺文
厄神遊行
(コールド・ウォー!)
秋の断簡
歪像画(アナモルフォーズ)
金のモリオン
ユウ
著者略歴
[担当からのコメント]
詩人の感性に身を委ね、言葉の舟にのって詩の世界を旅するとき、日常という世界が全く異なる風景に見えるときがあります。あなたは本書の詩を旅しながら、どんな風景を目にするでしょうか。ぜひ手に取ってお確かめいただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
m.
京都在住
詩集『風告』(2004年、編集工房ノア)
『廃屋のアルケオロジー』(2005年、編集工房ノア)
『漂島』(2007年、編集工房ノア)
『蟻のカタコンベ』(2010年、編集工房ノア)
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