明治渡韓記ーー日露戦争の最中に韓国へ渡った祖父・謙吉の手紙

(著) 牧野謙吉

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作品詳細

[商品について]
―家族の歴史は、時代の歴史でもある―
「わが国未曾有なる日露大開戦中の期を外さず渡韓いたし、戦後、なにか経営に微力ながら国家のために万分の一の働きいたしたき」
日露戦役の最中に渡韓を決意した牧野謙吉は、妻子ある身でという周囲の反対を押し切って明治38年3月に渡韓した。本書は、その謙吉が在韓5年あまりにわたり実父・川崎藤七に送り続けた手紙をまとめた書簡集である。読みやすい楷書体にあらためて当時の時代背景の解説も加え、明治時代の生活や空気を知ることができる貴重な資料となっている。

[目次]
はじめに―
第一章 郷里を旅立つ―唐津で渡韓準備
第二章 京城で旧藩主に拝謁、木浦へ赴任
第三章 木浦の生活、仕事および人々
第四章 旧藩主家事業と謙吉の生活
第五章 夫婦関係、仕事および生計の行きづまり
第六章 岡部家事業の破たん、転職先の模索
第七章 正式に離婚、第一銀行へ転職
第八章 忠清南道江景へ転勤、信子誕生
第九章 京城本店詰め、北韓・鎮南浦支店へ転勤
第十章 男子誕生と早世、俳句世界への没入
第十一章 全州へ転勤。四年七カ月ぶりの帰省、信子の成長
第十二章 在韓五年目の春到来、生活の落着き
―おぼえがき―
関係資料
その他の参考資料
系図1(牧野・川崎・今井)
系図2(牧野・横尾)
著者プロフィール

[担当からのコメント]
日露戦争というと歴史の教科書を思い浮かべる方も多いと思いますが、本書に収められているのはその時代を今として生きた生活の日々です。文語調の文面ですが、じっくりと読んでいると、その時代の風景と家族の情景が少しずつ浮かび上がってくるようです。ぜひご一読ください。

[著者プロフィール]
牧野謙吉(まきの・けんきち)
 明治九年(一八七六年)五月一日、和泉(大阪府)岸和田に生まれる。十六才のころより地元の第五十一国立銀行で働く。二十八才の時、韓国にわたり、岡部家の木浦事務所をへて、京城の財政顧問本部や農工銀行の地方支店に勤め、朝鮮殖産銀行馬山支店の出張所長を最後に退職し(五十五才)、昭和六年(一九三一年)岸和田の父祖の地へ帰郷。戦後は福岡県に住む次女の家族と同居した。昭和四十五年(一九七〇年)死去。享年九十四才。若いころより詩歌に親しみ「ホトトギス」への投稿や、のちに自由律俳句の「海紅」同人として活動。

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