一寸の虫にも十分の毒【電子書籍版】
(著) 川合述史
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[商品について]
―毒にも薬にもなる虫毒の研究は、かくも奥深くオモシロい―
自然界には様々な種類の生物毒があるが、動物のもつ毒は神経にはたらくものが圧倒的に多い。本書はそうした神経毒のなかでも特にハチ毒とクモ毒を中心とした虫の毒について、その正体の解明や採集にまつわるエピソードを自身の体験をもとに書いた虫毒読本である。これまで日本にはいないといわれていた強い毒をもつセアカゴケグモからジョロウグモ毒を利用した痴呆症の予防薬、最強の生物毒のひとつボツリヌス毒素まで、神経毒の不思議な世界を分かりやすく解説する。
[目次]
はじめに
第一章 毒グモの日本上陸
第二章 クロゴケグモとの遭遇
第三章 スズメバチを求めて
第四章 オオスズメバチとの死闘
第五章 ジョロウグモ伝説
第六章 クモをつかむような話
第七章 クモの毒素と脳・神経
第八章 神経毒の不思議
参考文献
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
本書を読んでいると、自然界にはこんなにも毒が多く、それらが実に合理的に存在していることに驚嘆します。そして生き物が生み出す多様性、自然界に秘められた謎に知的冒険心をくすぐられます。ファーブルの心を忘れない全ての方にお届けしたい一書です。
[著者略歴]
川合 述史(かわい・のぶふみ)
自治医科大学教授。医学博士。一九三四年北海道生まれ。
東京大学医学部卒業後、群馬大学医学部、コロンビア大学神経学部、東京都神経科学総合研究所を経て、一九九一年より現職。
コロンビア大学時代にクロゴケグモ毒に出会って以来、一貫してハチやクモなどの生物毒の神経作用を研究。
その業績、とくに「ジョロウグモ毒の神経科学的研究」により、平成六年度の日本学士院賞を受賞。
著書に『分子から見た脳』(講談社)、『脳と毒物』(朝倉書店)などがある。
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