トキふたたび佐渡に翔(ま)う──トキの論文

(著) 後藤袈裟登

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[商品について]
―豊かな里山と共にトキのいる風景を取り戻そう―
nipponia niponという学名を持ち1属1種の希少種であるトキは、朱鷺、紅鶴、鴇、桃花鳥など数多くの名で呼ばれ日本人に親しまれてきました。1981年の調査によって野生のトキは日本から姿を消したことが確認され以来、日本は中国と協力しながらトキ増殖事業を推し進め、2000年以降は人工増殖事業による繁殖に試験放鳥と、野生復帰に向けて望みが見えてきています。本書は、そうした日本におけるトキの保護と繁殖活動の道のりを、近年の自然繁殖や生息環境の整備の状況と展望と共にまとめたものです。人と動物の共生について考えるうえでも、示唆に富む一書となっています。

[目次]
序文
第1章 はじめに
第2章 トキの繁殖の過去
1 日本において
1)佐渡島について
2)能登について……石川県のトキ
3)島根県・隠岐島のトキ
2 繁殖地について
1)佐渡島の場合
2)能登半島の場合
第3章 近年のトキについて
1 トキ増殖事業について
1)トキ増殖の歴史
2)トキ全鳥捕獲
2 中国におけるトキ繁殖
1)7羽の野生トキ発見
2)野生トキの繁殖
3)人工増殖
3 人工増殖と自然繁殖
1)ケージ内・人工増殖
2)日中トキ増殖事業協力
3)トキ二世誕生か
4)人工繁殖
5)トキ2世・人工繁殖
4 トキの体色及び羽色変化
1)トキの生殖羽について
2)トキの灰黒色の季節変化
3)トキの羽色に秘める美
4)トキの羽色変化
5)トキの灰色変化
6)まとめ・考察
第4章 トキの繁殖の現状
1 中国において
1)2000年以後の繁殖
2)陝西省洋県のトキ繁殖状況
3)中国トキ保護観察団
4)分散地の繁殖
2 トキ野生復帰
1)トキ野生化準備
3)トキ放鳥
3 自然繁殖の現状
1)繁殖の兆し
2)トキ誕生
第5章 トキの生態
1 トキの羽色
1)鴇(トキ)色について
2)羽毛と老化
3)幼鳥の風切り羽
2 繁殖
1)自然繁殖
2)トキの奇形について
3)生態から見て
3 今後に思う
1)分散地について
2)トキの環境作り……佐渡島の場合
3)トキ孵化の難題
4)日本と中国、トキの環境の比較
5)トキ個体群の衰退および復活
参考文献
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
トキは一時は農作物を荒らす害鳥とされたこともあったようですが、人と動物の共生を考えるということは人の生活と動物の生活の折り合いをどうつけるのかという問題でもあるのだと、本書を読みながら改めて思います。ぜひご一読ください。

[著者プロフィール]
後藤袈裟登(ごとう けさと)
1937年、長野県諏訪市に生まれる。
1952年、航空専門学校修業。以降は、旧(株)JASの航空機整備一筋。
1997年、45年間の勤務の後、定年を迎える。その後、JASのサポート、JALグループ、JAL AIRTECHの嘱託として勤める。
航空機用プロペラおよびエンジン工場検査員資格をはじめ、10以上の資格・免状を持つ。横浜市在住。主な著書に『ニッポニア・ニッポン 朱鷺の保護と生息の変遷』がある。
2015年、3月、学術修士修得

所属団体:日本野鳥の会会員
     (公)日本鳥類保護連盟会員……中国トキ保護観察団、第1回から第15回まで毎年(11年間) 参加
     (公)日本剣道連盟会員……剣道5段

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