スロー・アウェイ──或る老刑事の事件簿
(著) 美野博
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―正義の炎は、ときに弱者の劫火の苦しみを照らしだす―
東京に大雪が降ったある冬の日の朝、自宅の浴槽で小野嶋大悟が死んだ。首相の金庫番といわれ政財界では有名であった男の、次期主力戦闘機の選定疑惑が取り沙汰される中での急死だった。浴室は内側から鍵が掛けられ密室状態だったため、警察は小野嶋の死を心筋梗塞によるものと断定し捜査は終了した。しかし当直として現場にいた山西は、事件が終わった後も内心ひっかかりを感じていた。証人喚問3日前の、重要な証人のあまりにも都合のよい死。刑事を定年退職して過去の事件を振り返っていた山西は、心の赴くままにあの事件を追うことを決意するーー。正義とは何か、真実とは何かを鋭く問う社会派ミステリー。
[目次]
プロローグ
ある父親と娘
退職
ある疑問
再開
始動
出雲
広島
権力
横川政治研究所
捨て駒
暗転
作沢
感電
雪だるま
倉本
張り込み
グラス
起訴
小尻記者
再訪
特高
裁判
手紙
返信
対馬
永田町
エピローグ
あとがき
参考文献
著者略歴
[担当からのコメント]
本書は爽快な謎解きを楽しむというよりは、「正義」や「真実」といった重いテーマをじっくりと読ませる作品になっています。世渡り上手として生きられない主人公の姿は、どこか私たちの共感を誘います。事件の最後に愚直で不器用な刑事が背負ったものとは何だったのか、ぜひ本書を手に取って確かめてみてください。
[著者プロフィール]
美野 博(みの ひろし)
1945年8月、山口県生まれ。
2005年8月、中国電気保安協会を退職。
第1種電気工事士。
広島県在住。
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