徳島の寺子屋[追補版]──史料で読む日本の庶民教育

(著) 髙橋利弘

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[商品について]
―実践的で教材豊富、寺子屋は侮れない―
前著『徳島「寺子屋」考』では、明治15年文部省刊の日本教育史資料と大正9年版の徳島県教育沿革史を主たる史料として県下の寺子屋の歴史を読み解いた。そこからさらに寺子屋の実態を掘り下げるべく、北海道から沖縄まで踏査して江戸期の寺子屋の実像を明らかにした乙竹岩造氏の庶民教育研究の大著『日本庶民教育史』を取り上げ、前著では触れなかった四国四県の寺子屋の実態も追補してまとめた貴重な徳島庶民教育研究。

[目次]
はじめに
第一章 徳島縣教育沿革史巻一について
① 序文解説
② 総則について
③ 私塾及び寺子屋の起源
④ 私塾と寺子屋の違い
⑤ 「寺子屋」の名称等について
⑥ 私塾と寺子屋の教育内容
⑦ 徳島の藩校について
⑧ 藩校の学習内容
⑨ 悲哀の庚午事変
⑩ 藩校「長久館」の歴史は流れて
⑪ 郷学校について。
⑫ 私塾寺子屋の教科用書
⑬ 寺子屋教科用書
⑭ 私塾寺子屋教授次第
⑮ 私塾寺子屋の賞罰
⑯ 私塾寺子屋の学習時間
⑰ 書体の唐流と御家流
⑱ 成績の等級付け
⑲ 筆道免許状のこと
⑳ 教師の職業
㉑ 束修と謝儀
㉒ 寺子屋の休日・罰則などについて
㉓ 私塾寺子屋の教育観について
㉔ 私塾寺子屋の設置と廃止について
第二章 徳島県の私塾寺子屋
1 徳島県の私塾一覧表
2 徳島県各地の寺子屋調べ
①名東郡
②勝浦郡
③海部郡
④那賀郡
⑤名西郡
⑥板野郡
⑦阿波郡
⑧麻植郡
⑨美馬郡
⑩三好郡
第三章 各市町村史に見る寺子屋教育の記述
1 神山町史から
2 一宇村史から
3 徳島市史から
4 鳴門市史から
5 徳島県史から
6 石井町史から
第四章 追補 乙竹岩造著「日本庶民教育史」を読む
一 追補に寄せて
二 著者、乙竹岩造(おとたけいわぞう)氏について
1 香川県の寺子屋
2 愛媛県の寺子屋
3 高知県の寺子屋
4 日本教育庶民教育史の特徴
5 徳島県の寺子屋
① 本県寺子屋の広がり
② 本県教育の負の部分
③ 師匠の身分
④ 故老報告に見る、本県の寺子屋の特長
i「回り師匠」の存在
ⅱ「賎民身分」子弟の寺子屋通学
⑤ 教育の男女格差と不就学の理由
⑥ 県内の寺子屋、最大と最小
⑦ 学齢年齢等
⑧ 入学時のしきたり、通学風景など
⑨ 授業時刻など
⑩ 習字及び読書の教材内容
⑪ 課外作業など
⑫ 教授の方法など
三「日本庶民教育史」上巻の口絵
1 口絵の紹介
2 開業趣意書(全図)
3 趣意書の解読
4 開業趣意書について
5 歓喜庵、その後
6 寺子屋の原点、「歓喜庵」。
○終わりに
○寺子屋のテキスト
○付録1 實語教(早稲田大学図書館蔵)
○付録2 「陰騭録(いんしつろく)」
○資料・出典
○著者略歴



[担当からのコメント]
現代の私たちは、昔よりも今の方が優れていると何につけ思いがちですが、本書を読んでいると果たして教育に関しては本当にそう言えるだろうかと考えてしまいます。寺子屋を通じて現代の教育を考える、その一助として本書を多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。


[著者略歴]
髙橋 利弘(たかはし としひろ)
1940年生まれ
      徳島県名西郡神山町神領出身
1963年 徳島大学学芸学部4年制小学課程卒業
1964年~美馬郡・鳴門市・徳島市にて教職
2000年 退職
2002年~2007年
      徳島県保健福祉部人権課人権啓発推進員
2020年まで海外旅行57カ国歴訪
現青少年赤十字賛助奉仕団顧問
令和4年度 第47回とくしま出版文化特別賞 受賞(公益財団法人徳島県文化振興財団)

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