世界平和と環境と日本のかたち:日本の和力で取り組む平和と環境
(著) 二木光
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―地球を救えるのは、日本しかない―
地球温暖化や食料問題、各種紛争など、人類が現在直面している危機を乗り越えるためには何が必要だろうか。JICA専門員として約30年にわたって途上国生活を過ごし、国際協力の現場から世界を見てきた著者は、日本の風土と歴史が培った日本特有の自然観や道徳観、生活の知恵の中にこそその答えがあると確信する。ではそれらの日本の特質は現実のどの様な問題に対し、どの様に有効なのだろうか。それを明らかにすべく、本書では現在の地球が抱える危機の本質として3つの脅威を示し、それらに対して日本の特質が及ぼし得る効果を考察しながら、地球の持続性を高めるために日本がなし得る取り組みを提言していく。提言は国連安保理制度改革案を含む。歴史、文化、社会など様々な視点から日本の持つ潜在的な能力を分析し、国際社会における役割を明示したサスティナブルな未来への提言書。
[目次]
はじめに
第一章 地球の危機
Ⅰ 惑星としての地球
[1]ガイアの概念
[2]地球、生物、人類の奇跡
[3]フェルミの仮説
Ⅱ 環境の劣化
[1]地球環境(温暖化)
[2]生態系の劣化
[3]生活圏環境(廃棄物処理)
[4]人口と食糧
Ⅲ 資本主義経済の桎梏
[1]市場の形成
[2]産業革命
[3]資本主義経済下の二極化の進展
[4]資本主義経済の未来
[5]市場主義
Ⅳ 世界平和を蚕食する要因
[1]武力紛争
[2]核の脅威
[3]国連安保理の呪縛と国際法の形骸化
[4]貧困
[5]我が国が抱える課題
第二章 日本の特質
Ⅰ なぜ日本が地球環境を救わねばならないのか?
[1]日本誕生以来海外から受けてきた恩恵に報いる時
[2]人類の共存共栄の観点から
[3]希有な経験(環境収容力と人口の均衡)
[4]日本人の資質
Ⅱ 日本文明
[1]世界でも屈指の古い歴史
[2]環境保全
[3]日本人の心性
[4]日本語
[5]社会秩序と治安
Ⅲ 宗教(道徳)
[1]日本人の宗教観
[2]カミサマ
Ⅳ 技術の伝承
[1]神道に見る技術の伝承
[2]徒弟制度
[3]技術の共有化
Ⅴ 日本流共同体の確立
[1]村落共同体の歴史
[2]現在も続く自治組織活動例
[3]定常社会の経験
Ⅵ 伝統文化
[1]古典芸能
[2]食文化
[3]スポーツと精神鍛錬
第三章 日本が地球を救う行程表
Ⅰ 日本の取り組み
Ⅱ 日本語〈国語を守る〉
Ⅲ 自治活動の活性化
Ⅳ 環境保護事業の推進
[1]国の取り組み
[2]地区・町内自治組織による取り組み
[3]海外への技術支援
Ⅴ 浪費の縮小
[1]資源の浪費をしない
[2]金融社会の危険性に留意する
Ⅵ 援助倍増と制度改善
[1]援助額の倍増
[2]専門家の確保とJICAの組織変革
[3]国際協力専門員制度の改革
[4]青年海外協力隊員の増加
[5]国際緊急援助隊の増強
Ⅶ 日本理解国の増大と情宣の強化
[1]日本の街がモデルと認識される
[2]JICA研修内容は視察に重点
[3]観光に日本紹介要素
[4]日本の情宣
Ⅷ 平和構築
[1]外交官活動
[2]国連改革
[3]国連憲章の変更
[4]国連PKO及び国連軍の機能強化
[5]軍縮
[6]核廃絶に向けた道程の提示
[7]自衛隊の役割変更
[8]日米安保条約の改正(2020年)
第四章 梗 概
Ⅰ 地球の危機(第一章の要約)
Ⅱ 日本の特質(第二章の要約)
Ⅲ 日本が地球を救う行程(第三章の要約)
あとがき
付 記
主な参考文献
著者略歴
[担当からのコメント]
本書では国際協力の舞台から日本を見つめ、日本という国が何をなし得るのかを論理的な思考で考察しています。大味な日本論や文化・文明論ではなく、現実的で実現可能な視点を持ちたいという方にお薦めの一書です。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
二木 光(にき ひかる)
1947年生まれ。66年萩高等学校卒業、宇都宮大学農学部入学。70年から在学のまま青年海外協力隊参加(フィリピン、2年)。75年宇都宮大学農学部修士課程修了。78年からJICA専門家としてスーダン(2年)、ボリビア(5年)、エジプト(3年8カ月)、バングラデシュ(4年)、ザンビア(3年)、東ティモール(半年)、JICA東南部アフリカ地域支援事務所(ケニア、2年)、東ティモール(3年3カ月)、ケニア(2年11カ月)等に赴任。90年よりJICA国際協力専門員(農業農村開発、2013年退職)。2002年より1年半千葉大学園芸学部非常勤講師。農学博士(パシフィック・ウェスタン大学)。著作は『アフリカ「貧困と飢餓」克服のシナリオ』(農山漁村文化協会)、「東南部アフリカの持続的村落開発」(JICA)等。
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