理系日本人の壺 : 後世に伝えたい日本人の思考法、癖や知恵のコレクション
(著) 種市百器
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―知るほどに奥深い思考博物館―
変革期にある現代社会におい、新しいパラダイムに対応するために必要となるもの、それは従来型の「教科書な知」ではなく、「遊び心」と「好奇心」を土台として培われてきた「分野を超えて機能する知恵」である――。
本書は、長く科学技術の分野に携わってきた著者が、将来の課題に気付くためのツールとして探し求めてきた知のコレクションの中から、ヨーロッパ中世の貴族の間で流行した「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」になぞらえて、理系日本人の「知恵」の魅力を紹介した作品である。
尾形光琳から寺田寅彦まで、未来を切り拓き次世代へ継承すべき叡智を知る上で、格好の一書となっている。
[目次]
はじめに
第一章 逆柱(さかさばしら)
第二章 「日本人の自然観」(寺田寅彦著)について 境界その一
第三章 木の中に埋まっている仏像 「夢十夜 第六夜」(夏目漱石)より
第四章 「不易(ふえき)流行(りゅうこう)」(松尾芭蕉)
第五章 日本の長寿企業 ドラッカーと渋沢の視点
第六章 日本美術を愛した外国人たち コンドル、ドラッカー、ジョブズ
第七章 日本人の精神性に潜む「境界」の理念 境界その二
第七章コラム 美しい定理は神の手帳に綴られている ──ライプニッツの円周率計算からスパースモデリングへ
第八章 きまぐれな科学技術の進化 ──グローバルな科学技術史観とは──
第九章 そろばん式暗算 道具考その一
第十章 道具に宿る思い 道具考その二
第十一章 時空を旅する道具 道具考その三
第十二章 八木・宇田アンテナと3Dプリンターの教訓
第十三章 隠れたコトづくりの達人(幕末維新・理系的人材の系譜)
第十四章 引き算の文化と機能美
第十五章 バトンの引き継ぎ 琳派の系譜を先進事例として
第十六章 「大きなマル」 科学技術と仏教その一
第十七章 「中空構造」 科学技術と仏教その二
おわりに
参考文献
索引
[出版社からのコメント]
例えば鎌倉時代の日本刀や木像のように、現代では真似の出来ない素晴らしい技術を古人は持っていたことを私たちは残された作品から間接的に知ることができますが、そうした技術やイノベーションを生みだす源となる思考についてまで目を向けるという機会は、なかなかありません。本書を通じて、その源に触れる知的な興奮を味わっていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
種市 百器(たねいち ももき)
1954年、東京都生まれ。
1977年、東京工業大学工学部機械物理工学科卒。
1979年、東京工業大学物理情報工学修士課程修了。
同年、科学技術庁入庁。
宇宙関係、原子力関係の部署を経て、
1985年、外務省無償資金協力課(ODA関係)。
1987年、科学技術庁海洋開発課。
その後、科学技術政策研究所、防災科学技術研究所、日本原子力研究所などを経て、
1996年、通商産業省工業技術院研究開発官(自動車用リチウム電池関係)。
1997年、通商産業省関東通産局産業振興部長(商店街活性化・中小企業金融関係)。
1998年、海洋科学技術センター企画部調査役。
その後、科学技術振興事業団(ロボット競技会支援)などを経て、
2004年、東北大学電気通信研究所所長補佐。
その後、宇宙航空研究開発機構(だいち関係)、科学技術振興機構(理数学習支援)などを経て、
2015年より海洋研究開発機構(SIP)、2019年任期終了。
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