命~私の戦後、中国と日本~ ある中国残留孤児の記録

(著) 石川千代

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[商品について]
―余りにも過酷な運命が、少女のやさしさと共に静かに語られる―
幼いころに母を亡くし再婚した父と共に満州に渡った少女は、日本の敗戦と父の死によって過酷な運命を背負うことになった。女を物色しにやってくるソ連兵、食べものをもらうための乞食の日々、避難所を転々とするなかで失われていく希望、そんな明日をも知れぬ少女に救いの手を差し伸べたのは一人の中国人男性だった。しかし中国で続く内乱は、そんな少女を再び過酷な運命へと押し流すーー敗戦後の40年を中国人として生き、中国残留孤児として日本に帰国してからも社会復帰や裁判など多くの困難と戦い続けてきた著者が綴る、命と人間と平和への想いを込めた半生記。

[目次]
まえがき
第1章 幼少期から旧満州の生活
1 幸せだった家族との暮らし
2 母の死、暗い雲
3 先生のお弁当
4 父の再婚、そして満州へ
5 風呂がない、トイレがない
6 恋しい祖母の漬物
7 国民学校への通学路
8 夏と冬の思い出
9 学校に救われた
10 シャボン玉のような約束
第2章 敗戦から文化大革命
1 日本へ帰れなくなった日
2 人権なく鶏のように
3 中国人にもらわれる
4 養父の解広亮
5 警察官にもらわれる
6 内戦、また避難生活
7 運命の分かれ道
8 銃弾が右腕を貫通
9 北斗七星は日本と同じ
10 家を出て働きたい
11 ガラス工場で働く
12 私が幹部候補?
13 美しい毛筆の手紙
14 字に惚れて結婚
15 文化大革命の波
第3章 日本人だと明かしてから帰国まで
1 「母さん、なぜ日本人なの?」
2 公安局に「日本人です」
3 「日本の家族が分かりました」
4 高知への手紙と返信
5 恵姉さんからの手紙
6 父の死を伝える
7 貧しい中国から外へ
8 日本の家族からの質問に答える
9 お祖母ちゃん、ごめんなさい
10 訪中した姉との再開
11 「死亡」していた私
12 たくさんの日本人孤児がいた
13 初めての北京
14 43年ぶりの日本
第4章 帰国後の日本での生活
1 「千代は帰ってきたよ!」
2 目に焼き付けた日本の姿
3 着物で写真を撮りたい
4 滞在は最長6カ月
5 日本の戸籍が復活
6 日本語を取り戻す
7 思い出の風景
8 商業簿記資格に合格する
9 頑張っても自立できない?
10 介護の仕事に喜び
11 子どもたちのこと
12 命を救ってくれた玉尾さん
13 玉尾さんは娘に会いに行かなかった
14 国に見捨てられ孤児になった
15 母国を訴える裁判
16 夫、郭伝遠のこと
17 生きる勇気が支えてくれた
あとがき
プロフィール

[担当からのコメント]
「国に捨てられた」と一人の少女に思わせる戦争という現実、平和を生きる私たちはその意味を深く考えなければいけないと本書を読みながら改めて思います。同時に、生きることの本当の強さはやさしさの中にあるのだろうと感じさせられます。戦後を生きる全ての日本人にお届けしたい一書です。ぜひご一読ください。

[プロフィール]
石川千代(いしかわ・ちよ)

1934年、高知県南国市生まれ。
8歳で両親と満州に渡り50歳で帰国。
中国残留邦人国家賠償請求高知訴訟の原告団長を務めた。
「高知県中国帰国者の会」会長。
高知市在住。

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