問い続ける戦後ドイツーーナショナリズム、フェミニズム、そして歴史の負の遺産と統一の現実を超えて

(著) 田村光彰

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作品詳細

[商品について]
―過去と現在に目を閉ざさないこと、歴史を活かすにはそれしかない―
産業構造の変化は極右勢力を台頭させ、崩れゆく家父長制度に一部の人々は保守化を強めていく。ナショナリズム、フェミニズム、そしてナチスという負の遺産。東西統一を果たしたドイツは過去とどう向き合い、現在と未来をどう歩もうとしているのか。ベルリンの壁崩壊のドイツで見え隠れする外国人排斥や、緑の党にみる政治と社会の中にある統一ドイツの現実など、これまで発表してきた論文を一部加筆訂正して様々な視点から贖罪と変革にゆれるドイツの姿を捉えた示唆に富む論考集。

[目次]
まえがき
第一章 ナチの「過去」とドイツナショナリズム
いま、なぜ? 西独で極右勢力台頭
外国人排斥にみる統一ドイツの苦悩
ヴァイツゼッカー去り、ナショナリスト来る
EUにおける外国人労働者・難民問題
ドイツ企業の戦後反省 ──ダイムラー・ベンツとIG─ファルベンの場合──
第二章 東独の「過去」とベルリンの壁開放
エルンスト・ブロッホの復権と東独文学
東ドイツの新しい野党
第三章 緑の党ともう一つの統一
西ドイツ緑の党とフェミニズム
西ドイツ緑の党の議会外運動と直接民主主義
東・西緑の党とドイツ統一
著者紹介


[担当からのコメント]
歴史は過去の教訓をどう活かすかというだけでなく、過去の歴史をどう捉えようとしているのかを知ることでその国と社会の今が分かるという意味でも、私たちにとって有用な存在であると本書を読んで改めて感じます。日本の「現在」を考える一助として、本書を多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
田村 光彰(たむら みつあき)

1946年生まれ、金沢大学大学院修士課程(独文専攻)終了、現在、北陸大学教員

著書
『統一ドイツの苦悩――外国人襲撃と共生のはざまで』技術と人間、1997年(改訂版)
『ドイツ 二つの過去』技術と人間、1998年
『現代ドイツの社会・文化を知るための48章』(共著)明石書店、2003年

主要訳書
エルケ・シュテーク他『意識はフェミニズム、行動は地域』現代書館、1991年
トーマス・エバーマン、ライナー・トランペルト『ラディカル・エコロジー』(共訳)社会評論社、1994年
ペーター・シュタインバッハ他『ドイツにおけるナチスへの抵抗1933―1945』(共訳)現代書館、1998年
ヤン・C・ヨェルデン編『ヨーロッパの差別論』(共訳)明石書店、1999年
ベルント・シラー『ユダヤ人を救った外交官――ラウル・ワレンバーク』(共訳)明石書店、2001年
ゲールハルト・フィッシャー他『ナチス第三帝国とサッカー』(共訳)現代書館、2006年

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