ナマハゲーー「脅し」の呪縛を解く:男鹿発祥の民俗行事源流考

(著) 大槻憲利

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作品詳細

[商品について]
―子供にはトラウマ級の奇習、その真の姿とは―
秋田男鹿に古くから伝承されている習俗で、現在では国無形民俗文化財に指定され多くの人に親しまれるようになった「ナマハゲ」。こわい鬼の姿形で声を張り上げながら家々をまわり、子供たちを恐怖に陥れるこの民俗行事について、研究者は「小正月の訪問神」「常世からのまれびと」「山の民の守護神」など様々な説を提唱していますが、古文書等に記録がないために諸説紛々し、その議論は未だ決着をみていません。本書では、そんなナマハゲの正体について、修験道という切り口から、その発祥や名称の由来の解明を試みます。男鹿半島の地理的条件から誕生の経緯、そして霊山信仰や密教との関わりまで、従来とは異なる視点でその起源に迫った、示唆に富むナマハゲ考。

[目次]

一、紹介・ナマハゲの実像諸説
二、男鹿半島概観
地理的瞥見
歴史的概要
三、仙境の概観
霊山の輪郭
修験(者)の意味
四、霊山信仰のあゆみ
本山に赤神を祀ったわけ
天台顕教から真言密教へ
五、道教と道家
紛れ易い道教・道家
わが国の、道教・修験道への批判的対応
神仙と秦始皇帝・漢武帝
六、ナマハゲの正体は何か
室町初期の誕生
不動明王・愛染明王の恩恵
密教祈とうの変形「ナマハゲ」
両明王と眉間鬼・逆頰鬼との関連
ナマハゲの荒振る所作
七、語源を考える
脛の火形を、むしり取るのか
経文語を組み合わせて造語
八、神供にみられる薬餌
九、五鬼と磴道構築伝説
五  鬼
磴道構築伝説
修験道の不文律
おわりに
参考図書・史、資料
著者略歴

[担当からのコメント]
きちんと玄関から入り、子供を脅すだけ脅して接待を受けて帰っていくナマハゲは、よく考えてみるとその容貌や振る舞い以上に興味深い謎がたくさんあります。著名な民俗学者や研究者たちも惹かれたであろうそんな謎を、ぜひ本書を通じて楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
大槻 憲利(おおつき のりとし)

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