医療ジャーナリスト、がんになるーー松ちゃんと胃がんと悪戦苦闘の日々
(著) 松井寿一
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―がんと共に前向きに生きる。今までも、これからも―
医療ジャーナリストとして、ラジオのパーソナリティとしていつも元気な松ちゃんは、忙しく仕事をこなす日々の中で、好きなビールを美味しく感じられなかったり倦怠感があったりと、すこし自分の身体に異変を感じ始める。「疲れているのかな」くらいに思っていた松ちゃんだったが、定期健診で精密検査をすすめられ、生まれて初めて胃カメラを飲む羽目に。検査の結果大きな腫瘍が見つかったものの、良い薬もあるから大丈夫と思っていた松ちゃんのもとに、後日医師から連絡が入る。それは自分の病気が胃がんで、しかも術後5年で生存率3割といわれる「第3期」というものだったーー5年生存率を2度クリアして10年以上元気に過ごしている著者が、突然身に降りかかった「がん」という現実とどう向き合ったのか、宣告から手術、そして術後の生活までの日々を医療ジャーナリストとして、またひとりのがん患者として書き綴った闘病記。
[目次]
松井壽一さんのこと
1 がん発症
生かされている
胃を意識する時
私の隠密行動作戦
有言実行の減量宣言
「胃」病息災の人々
胃がんの第3期
2 胃がんの第3期
告知は最初に本人に
家族・友人には心配かけたくない
「がんセミナー」を聞く
抗がん剤は飲まなかった
人生をありのままに受け入れる
「肯定開放」
3 人の世は四苦八苦
四苦八苦
まさにわが家は宗教戦争?
健康だから言えた「おはようございます」
気づかなかった「寅さん」のがん闘病
4 ステージⅢ、5年生存率3割
永林寺さんのこと
不安の中での検査
池口恵観法主との出会い
お加持を受ける
手術を決断
5 入院前のひと仕事
「寅さんファンクラブ」事務局長の死
トリプル・オピニオン? も「胃切除」
癌研附属病院へ入院
6 平成8(ハッ)年8(ハッ)月8(ハッ)日は「笑いの日」
平成8年8月8日の顚末
藁をもつかみたいが、ためらった「奇跡の治療」
7 決意、固まる
胃がんを忘れてマドンナにインタビュー
糖尿病を宣告される
看護婦さんと思わぬ諍い
家人、主治医と三者面談
私は楽天家、家人は神経質
8 手術前夜
スピーチと女性のスカートはないほうがいい
今日は何だか長く感じる1日
担当ナースとはお見合いしたい
質実剛健と在野精神
いよいよ明日は手術
9 12月5日、運命の日
横綱・貴乃花の夢
逃げ出したい衝動
目隠しで心が落ち着く
失われつつある第六感
手術シミュレーション
重要な麻酔医の役割
胃の切除片
俎上の鯉
10 術後に思うこと
陽光の素晴らしさ
わが身の一大関心事
チューブが取れた日
あらぬ勘ぐり、きつい洒落
熱と痛みとモルヒネと
イボはホントにうつる!?
11 真言、唱える
悪戦苦闘の日々
麻酔とリバウンド
もとの〝黙〟阿弥
狂歌あしたか!?
あぶない〝虻〟
12 術後の不安
ナースも患者も十人十色
来る日も来る日も寝苦しい
眠れないなら氷水で遊んだら
バツの悪い「泣きべそ」
「お酒は避けよ」のお達し
人の気も知らないで
13 中河先生の訃報に接す
術後のもどかしさ
邂逅「中河与一」
かっぱ村ふれ書き
病床にて冥福す
14 8本の管(チユーブ)
焦らずあわてず
自由がまたひとつ
回復への兆し
チューブはもうこりごり
15 退院近し
栄養指導始まる
人生山あり谷あり
池口恵観というすごい人
眠れることのしあわせ
16 退院前夜
おかげさまの心
患者はつらいよ!
会長は出張中!?
病床最後の夜
17 待ちに待った退院
最初で最後の経験
日昼(中)友好を深める
クリスマスカード
実にいい気分
一家そろっての団欒
18 一陽来福、新玉の年
久しぶりのわが家
病み上がりの意識
未来に希望「一陽来福」
空蟬の世に無事を祈りて
終章に代えて/本書を書き上げて
著者略歴
[担当からのコメント]
著者は毎年定期健診を受けていましたが、ガンの進行に気づくことができませんでした。その意味では、本書は自分の健康は自分で守るという意識が重要であることを教えてくれます。健康リテラシーを身につける一助として、ぜひ本書をご活用いただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
松井寿一(まつい じゅいち)
1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。(株)薬業時報社の記者、取締役編集局長を歴任。現在、フリーの医療ジャーナリスト。「日本医学ジャーナリスト協会」副会長、「男はつらいよ」寅さんファンクラブ会長。著書に『薬の文化誌』(丸善ライブラリー)、『出逢い、D・I』(医薬経済社)『薬も百薬の長』(薬事日報社)など。CDはNHK『ラジオ深夜便・こころの時代「笑いは百薬の長」』
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