[改訂版]わが同時代人の歴史1ーー:トゥルゲーネフと並ぶ名文家コロレンコ不朽の自伝 第1巻 舞台は1860年代の西ウクライナ
(著) ヴラジーミル・ガラクチオーノヴィチ・コロレンコ(訳)斎藤徹
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―ロシアを知りたいなら、コロレンコを読めばいい―
同時代を生きたチェーホフに「まれなる心の持ち主」と称えられ、その尊敬と信頼を集めたコロレンコ。本書『わが同時代人の歴史』は、優れた批評精神を持ったジャーナリストであり作家でもあった彼の手による、自伝にして同時代史である。1870年代前史にあたる第1巻には、西ウクライナの田舎町を舞台に、幼少年期のコロレンコの目から見た多彩な人々の情景や事件が綴られる。ときにユーモアを交えながら、ありのままに描かれた長閑でお人好しの人々。そして目の前には、変革の波にのまれるロシア帝国という暗雲垂れ込める時代が近づいていたーーヴラジーミル・コロレンコ畢生の大作、待望の電子書籍化。
[目次]
訳者まえがき
凡 例
著者より
第一部 幼少期
第一章 存在の初印象
第二章 私の父
第三章 父と母
第四章 屋敷と通り
第五章 「あの世」。──神秘の恐れ
第六章 星の夜の祈り
第七章七 ウリャニツキと「買われた男の子たち」
第八章 「何か起こる」
第九章 「サンドミールのフォームカ」と地主デシェルト
第二部 学習の開始。──蜂起
第十章 寄宿学校
第十一章 初めての芝居
第十二章 ポーランド蜂起の時期
第十三章 私は誰?
第十四章 ジトミル中学
第十五章 出立
第三部 郡都で。──生徒時代
第十六章 郡都ロヴノ
第十七章 「郡裁判所」、その慣行と人間タイプ
第十八章 もう一つの裏
第十九章 新しい中学の初印象
第二十章 朱色のオウム
第二十一章 家と学校の宗教
第二十二章 私どもの暴動……。総督と校長
第四部 村で
第二十三章 ハルニ・ルフの地主たち
第二十四章 村の人間関係
第二十五章 父の死
第五部 新動向
第二十六章 「新人たち」
第二十七章 ヴェニアミン・ヴァシリェヴィチ・アーヴジエフ
第二十八章 バルマーシェフスキー
第二十九章 兄が作家になる
第三十章 ハルニ・ルフの時代精神
第三十一章 失われた論拠
第三十二章 止めにした告解
第三十三章 何になるべきか?
第三十四章 中学の最終年
第三十五章 最後の試験。──自由
付 録
幼い恋
ディケンズの知り初め
訳者プロフィール
[担当からのコメント]
ロシア文学の愛読者は別として、コロレンコの名は残念ながら日本ではあまり知られていません。しかしいったん本書を開けば、私たちは激動の時代へと静かに胎動を始める19世紀末のウクライナの空気を立ちどころに感じることになります。偉大な語り手であったコロレンコが誘う知の旅を、どうぞごゆっくりお楽しみください。
[訳者プロフィール]
斎藤 徹(さいとう とおる)
1934年11月東京生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒業。一橋大学社会学研究科修士課程終了。
その後、ロシア文学を離れ、私立女子高校の教諭として定年まで勤務。
退職後、ロシア文学に戻り、コロレンコ著『わが同時代人の歴史』の邦訳に専念。
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