分子スペクトルとともに

(著) 田隅三生

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作品詳細

[商品について]
―スペクトルとともに歩み続けた人生―
本書は、「分光法による高分子鎖の規則・不規則構造の研究」をはじめとして、合成・生体高分子と関連分子の構造とダイナミクスの研究に多くの業績を残し、日本の振動分光学の発展に大きく貢献してきた著者が、一学徒として自らの研究人生を振り返りながら、振動分光学の歴史や自身の研究成果、研究の中で培ってきた研究哲学を語ると共に、時代を共有した研究仲間との交流や斯界の未来を綴ったエッセイ、ノーベル化学賞を受賞したその業績に比して知られることの少ないジュリオ・ナッタの小伝などを付してまとめた、貴重な研究の記録である。
「人」が携わるからこそ面白い学問研究の魅力と、奥深い振動分光学の世界を探究する楽しさを味わうことができる一書となっている。

[目次]
まえがき

第Ⅰ部  分子スペクトルとともに
研究の展開(チャート)
第Ⅰ部 第1章 1959年から1970年まで
第Ⅰ部 第2章 1971年から1976年まで
第Ⅰ部 第3章 1977年から1997年まで
資 料
略  歴
LIST OF PUBLICATIONS
報文リスト
田隅研究室関係者名簿
学部卒業論文題目
修士論文題目
博士論文題目
写真集
第Ⅱ部  振動分光学の過去・現在・未来
第Ⅱ部 第1章 ラマン分光の過去・現在・未来
1.1 ラマン効果の発見
1.2 ラマン効果の発見に対する反響と以後約10年間における研究の状況
1.3 第2次世界大戦後からレーザーの出現まで
1.4 レーザーの出現から1970年代半ばまで
1.5 1970年代後半からの約20年間
1.6 ラマン分光の未来
文 献
第Ⅱ部 第2章 赤外分光の過去・現在・未来
2.1 1945年以前の状況
2.2 1946年から1970年まで
2.3 1971年以降
2.4 赤外分光の未来
文 献
第Ⅲ部  恩師と先輩
第Ⅲ部 第1章 水島三一郎先生
第Ⅲ部 第2章 島内武彦先生
第Ⅲ部 第3章 宮澤辰雄さん
第Ⅳ部  ジュリオ・ナッタ小伝
第Ⅳ部 ジュリオ・ナッタ小伝
1. 経歴と人となり
2. 1949年までの研究 ― 立体規則性高分子研究への準備段階
3. 1949年以降の研究 ― 立体特異性重合・立体規則性高分子研究の展開
余 録
謝 辞

[出版社からのコメント]
学問は先行する諸研究を継承・発展させることで進歩を遂げてきましたが、それは別の言い方をすれば数多の研究者の人生が溶け合ってより純度の高い成果を生成してきたということであるようにも思います。高度に洗練され細分化された最新の研究は社会に様々な恩恵をもたらし、時にパラダイムシフトさえ引き起こしますが、学問の本質的な面白さや取り扱う研究テーマの本質は、その初期段階においてこそ鮮明に見られることがあり、学問の成果とは必ずしも最新の成果のみにあるのではないことを実感させます。本書を通じて、そうした学問がもつ多面的な面白さを多くの方に味わっていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
田隅 三生(たすみ・みつお)
1959年 東京大学理学卒
1977–1997年 東京大学理学部教授
1997–2002年 埼玉大学理学部教授
2004–2008年 埼玉大学長

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