ルイス=クラーク探検:アメリカ西部開拓の原初的物語

(著) 明石紀雄

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[商品について]
―人はいつもフロンティアに憧れる。たとえ先住者がいたとしても―
メリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークは、今から200年以上前に探検隊を率いてミズーリ川を遡り、多くの困難に出会いながらも2年4ヵ月にわたって北アメリカ内陸部を調査した。第3代大統領トマス・ジェファソンの構想から生まれ、今日では「ルイス=クラーク探検」として知られるこの偉業は、当時のアメリカ国民に北アメリカ大陸についての膨大な知見をもたらし、これによってアメリカは本格的な西部開拓の時代へと進むことになった。本書では、西部開拓前史における金字塔ともいうべきルイス=クラーク探検の事跡を追いながら、彼らが何を発見し何をもたらしたのか、そして国民がそこから何を学び、あるいは学ばなかったのか、その今日的意義を探っていく。

[目次]
はじめに
プロローグ――北アメリカ大陸の内部を調査するために
第一章 構 想
1 ジェファソンの特別教書
2 北アメリカ大陸北西部についての一般情報
3 北西部への強い関心
4 ルイジアナ購入
5 探検隊派遣の構想
第二章 準 備
1 大統領私設秘書
2 探検隊長への任命
3 共同指揮官の指名
4 セントルイスへ向けて出発
5 準備状況を報告する
6 準備の最終段階
第三章 ミズーリ川を遡る
1 探検隊出発
2 困難な航行
3 最初のインディアンとの出会い――オットー族
4 不慮のできごと
5 ティートン・スー族――「最悪の輩」
6 アリカラ族
7 大平原に入る
第四章 最初の越冬
1 ミズーリ川上流の人と物の交流
2 越冬生活の諸側面
3 再出発を前に
4 大統領への「贈り物」
5 母への手紙
第五章 未踏の地へ
1 高まる期待
2 さらにミズーリ川上流へ
3 雄大な自然の中を進む
4 ミズーリ川の大瀑布
5 大瀑布を迂回する
6 再びミズーリ川へ漕ぎ出す
第八章 ショショーニ族を探して
1 コロンビア川源流の水を飲む
2 ショショーニ族に会う
3 会談を持つ
4 ショショーニ族と共に
5 別れを告げ、さらに進む
第七章 太平洋岸に到達
1 ロロ・トレイル
2 ネズ・ペルセ族の部落へ
3 海に向かって川を下る
4 目的地に到達
第八章 二回目の越冬
1 クラツォップ砦
2 海辺の越冬生活
3 隊長の仕事
4 インディアンとの交流
5 越冬生活の終わり
第九章 帰途につく
1 コロンビア川を遡る
2 近 道
3 再びビタールート山越えの苦難
4 二手に分れる

[担当からのコメント]
探検記録は私たちが持っている知的好奇心を満たすものであると同時に、過去と現在を繋ぐ貴重な歴史の糸でもあります。もはや地球上にフロンティアのない現代の私たちにとって、本書の中にある探検記録は当時の人々とは異なる意義を持っているのだろうと思います。アメリカの歴史だけでなく、人類の発展とは何かについて考えるうえでも示唆に富む本書、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
明石紀雄(あかし のりお)

1940年 東京府生まれ
1962年 米国ハヴァフォード・カレッジ卒業
1964年 米国ウィスコンシン大学大学院修士課程修了
博士(文学)
同志社大学アメリカ研究所専任研究員,同志社大学文学部英文学科,津田塾大学学芸学部英文科,筑波大学歴史・人類学系で教鞭を執る。
筑波大学名誉教授。2003年4月より,津田塾大学学芸学部,跡見学園女子大学文学部,武蔵大学人文学部にて非常勤講師。
主著に、『トマス・ジェファソンと「自由の帝国」の理念――アメリカ合衆国建国史序説』(ミネルヴァ書房、1993年)、『100年前のアメリカ』(共編著、修学社、1995年)、『エスニック・アメリカ[新版]――多民族国家における統合の現実』(共著、有斐閣、平成9年)、『現代アメリカ社会を知るための60章』(共編著、明石書店、1998年)、『アメリカ史』(世界各国史24)(共著、山川出版社、1999年)、『モンティチェロのジェファソン――アメリカ建国の父祖の内面史』(ミネルヴァ書房、2003年)、『「アメリカのしくみ」が手短にわかる講座』(ナツメ社、2003年)『エスニック・アメリカ[第3版]——多文化社会における共生の模索』(共著、有斐閣、2011年)、『現代アメリカ社会を知るための63章[2020年代]』(共編者、明石書店、2021年)他。
『世界思想ゼミナール』について

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