呪縛を解く―夢から覚める
(著) 芹澤数雄
Amazon作品詳細
[商品について]
―すべての根拠を疑え。そしてニヒリズムを超克せよ―
私とは、世界とは、生きるとは何か。私たちはそれらを問うこともなく、疑うこともなく生きている。しかし私たちは何も知らないし、何も知らないのに知っていると思っている。私、目の前の世界、他者、物体、親子、家族、学ぶ、教育、真理、善、価値、時間、空間、科学、経済、生存、快楽などの概念は、私たちにとって本当に自明のものだろうか。そこに手がかりになる根拠はあるだろうかーー偽りと曖昧さの中で根源を問うことを忘れた現代人の思考の呪縛を解く、新時代の超越論的思索の書。
[目次]
序―何も知ってはいない、徹底的に問え
1 置かれた状況
1-1 置かれた状況―ニヒリズムの世界―ニセモノの根拠に囲繞
1-2 はじめが狂うと、出発点が狂うと
1-3 ニセモノの根拠を掴まされている―真贋を見分けろ
1-4 気づくことなく、根拠のない世界に投げ出されている
1-5 あらかじめ引かれたレールの上を歩く―脳は侮れない
1-6 プラトンの洞窟に学べ―現象こそ疑え
2 現象を問う、認識を問う
2-1 現象を問う、現象を超える
2-2 あるがままを見ていない
2-3 認識される世界は客観的世界か
2-4 感覚器官を使って認識している―像を認識している
2-5 認識しているのは条件付きの現象だ、物自体ではない
2-6 私たちは超人ではない、凡夫に過ぎない―物自体ではなく、現象を認識している
2-7 私を問う―私は根拠あるものではない
2-8 他者を問う―他者は根拠なきものだ
2-9 物体を問う―物体は根拠なきものだ
3 私は存在するか、私は主人であるか
3-1 私はどこにもいない―主体は見出せない
3-2 認識は私の存在を証しない―私が認識してはいない
3-3 思い出すこと、考えることは私の存在を証しない―私が思い出してはいない、考えてはいない
3-4 行動することは私の存在を証しない―私が行動しているのではない
3-5 感じることは私の存在を証しない―私が感じているのではない
3-6 意志することは私の存在を証しない―私が意志しているのではない
3-7 生存を求めることは私の存在を証しない―私が生存を求めているのではない
3-8 快楽は私の存在を証しない―私が感じているのではない
3-9 欲望は私の存在を証しない―私が欲望しているのではない
4 生存を問う、快楽を問う、欲望を問う
4-1 生存主義を問う―生存は幻だ
4-2 快楽主義を問う―快楽は幻だ
4-3 欲望主義を問う―欲望は幻だ
5 科学・経済を問う、豊かな社会を問う
5-1 科学主義―科学の進歩は進歩か
5-2 科学の真理を問う―科学は張りぼてか
5-3 経済発展は本当に発展か―経済発展は幻だ
5-4 豊かな社会―蜃気楼の世界―科学信仰、経済信仰の社会
6 知・情・意を問え
6-1 認識を問え―いかなる認識も幻だ
6-2 感情を問え―いかなる感情も幻だ
6-3 思考を問え―いかなる思考も幻だ
6-4 行動を問え―いかなる行動も幻だ
6-5 意志を問え―いかなる意志も幻だ
7 イデオロギーを問う
7-1 客観主義を問う―客観性は幻だ
7-2 民主主義を問う―対立は幻だ
7-3 自由主義を問う―不自由は幻だ
7-4 平等主義を問う―不平等は幻だ
7-5 国家主義を問う―国家は幻だ
7-6 資本主義を問う―経済問題は存在しない
7-7 雇用主義を問う―失業は幻だ
7-8 有用主義を問う―役に立つことはよいことか
7-9 学歴主義を問う―学歴は幻だ
7-10 権威主義を問う―権威は幻だ
7-11 福祉主義を問う―福祉は幻だ
7-12 幸福主義を問う―幸福は幻だ
7-13 結婚主義を問う―結婚は幻だ
7-14 主義の前提を明らかにする
7-15 イデオロギーは暴かれる―ニセモノの根拠を見破る
8 呪縛を解け
8-1 呪縛を解け―超越の試み
8-2 われ思う、ゆえにわれあり―アルキメデスの点、物自体
8-3 根拠なきを廃棄せよ―物自体ではなく現象を見ている
8-4 夢から醒める―現象、像、客観的世界を廃棄せよ
8-5 どこにも根拠はない―それこそ根拠だ、アルキメデスの点だ
8-6 現象は現象だ、物自体ではない
8-7 真理・善・価値を問う―ニセモノの真理・善・価値に騙されるな
著者略歴
[担当からのコメント]
ユークリッド幾何学を疑うことで非ユークリッド幾何学が生まれたように、学問であれ社会であれ「当たり前」を疑うということにはパラダイムシフトへの大きな力が眠っているのではないかと思います。楽で便利な「当たり前」の軛を解き放ち、一歩前へ進むための一書として、いまを生きる全ての方にお薦めいたします。
[著者プロフィール]
芹澤 数雄(せりざわ・かずお)
1948年 静岡生まれ
1977年 一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了
専門 金融論、経済哲学
著書
「自己愛の経済学序説―利己主義の経済学を超えて」(北樹出版、2004年)
「反科学を超えてー宗教化した科学への問いかけ」(北樹出版、2010年)
「ニヒリズムを超えてーニヒリズムの経済学を超えて」(北樹出版、2010年)
「認識を問う」(中川書店、2013年)
「人間を問う・欲望を問う」(北樹出版、2013年)
「学問を問う・科学を問う・真理を問う」(北樹出版、2015年)
「認識を問え・自己を問え・死を問え」(北樹出版、2016年)
新刊情報