「書く力」が子どもたちの学習力と人間力を育てる――書いて「考える力」を培う国語教育と授業の実践例
(著) 土井俊信
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―書くことは、学習力であり、人間力である―
子どもたちの国語力の低下が叫ばれる現在、「伝え合う力」「かかわり合う力」「高め合う力」の育成が重視されるようになっている。しかし、伝え合うことも、かかわり合うことも、高め合うことも、自らに問い、自ら考えてこそ、確かで豊かなものになるのであり、そのためには子どもが「話すこと・聞くこと」「読むこと」の力とともに「書くこと」の力を身につける必要がある――。本書は、そうした視点のもと、40年近い教師生活の中で子供たちと向き合い、国語授業の奥深さや厳しさを経験してきた著者が、自身の授業の中からその時々の節目となったものを選んで書き起こし、「書く力」を指導するための実践事例としてまとめた作品である。国語教育に携わる方はもちろん、人格教育について考えるうえでも示唆に富む内容となっている。
[目次]
はじめに
第1章 書くことで学習力を育てる
第1節 書く力の実態を調べる
第2節 学習ノートに書く
第3節 書く機会や場を生かして書く
第4節 他の教科で学習したことを書く
第2章 書き合い、読み合いながら書く
第1節 書き合い、認め合う叙述指導―めだかとわたし―5年
第2節 文章の組み立てを理解し、活用して文章を書く―ねむりについて― 5年
第3節 友だち新聞をつくろう 5年 ―書き合い、読み合う活動を通して、 友だちの見方・考え方をひろげる―
第4節 ことわざ五十音をつくろう ―リレー作文― 5年
第3章 相手や目的に応じて書く
第1節 自分の考えを書こう 5年
第2節 テレビをめぐって 6年
第3節 ぼくの・わたしのプロフィール 5年
第4節 物語を創作しよう ―ギターナーロマンティカ― 5年
第4章 自分の課題を追究するために書く
第1節 世界に一つだけの詩集をつくろう ―わたしの詩集― 5年
第2節 「食物保存の工夫」を調べて報告しよう 5年
第3節 「生い立ちの記」を書こう 6年
第4節 卒業論文(卒業個人文集)を書こう 6年
おわりに
著者紹介
[出版社からのコメント]
私たちの理性にとって考えるということは重要な要素となりますが、多くの生きものの中でも「書く」という行為をするのは人間だけであり、そこには私たちが思う以上に大切な多くのものが含まれているのではないかと思います。本書は国語科の教育をテーマとしていますが、書くという行為の意味について、ぜひ多くの方に考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
【著者紹介】
土井 俊信(どい・としのぶ)
昭和22年10月29日生
昭和45年3月 大阪教育大学教育学部卒業。同年4月、大阪市立姫島小学校に新任として赴任。大阪市立神路小学校に勤務するころより、大阪市小学校教育研究会国語部に所属する。大阪教育大学附属平野小学校では、国語科担当として研究活動に専心する。
大阪市立東中本小学校を経て、平成3年度より大阪市立築港小学校教頭。平成6年度、大阪市教育委員会指導部指導主事、平成7年度初等教育課主査。
平成8年度、大阪市立池島小学校長、大阪市立塚本小学校長を経て、現在、大阪市立森之宮小学校長。
平成15年度より、大阪市小学校教育研究会国語部長、全国小学校国語教育研究会理事、大阪市学力向上推進協力委員などの任にあたる。
国語部長として、国語科習熟度別少人数授業、国語科指導技術講座をはじめ、国語部の研究活動・事業活動を推進し、後進の育成にあたる。教育タイムス「校長室から」など、エッセーの執筆活動に取り組むとともに、大阪市をはじめ各地の国語研究会での指導助言者として活躍している。
これまで、数多くの国語教育実践に関する教育論文を執筆し、国語教育雑誌等に発表している。
また、ことば随筆「おかん讃歌」第10回青玄会賞入選、第41回大阪市立校園表彰、有益なる調査研究表彰、平成18年度全国小学校国語教育研究会賞を受賞している。
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