性ホルモンと環境に操られる脳:男女の脳はなぜ違うのか
(著) 田中(貴邑)冨久子
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――おおよそ20歳前後に骨の成長が止まり大人になる現代人に対し、ネアンデルタール人は何歳くらいで大人になると言われているでしょうか。 1.15歳、2.18歳、3.25歳 ネアンデルタール人の生きていた氷河期という環境も関係しているようです。正解は、本書第1章「親戚関係のネアンデルタール人が滅亡した原因は」をご覧ください。 『女の脳・男の脳』を著して好評を博した著者が、今度は切り口を男女の脳の差から古脳と新脳の問題に移し、現代脳がサルの脳から進化してきたメカニズムや攻撃性を牛耳る扁桃体の働き、知的能力の性差が後天的につくられる可能性、新脳を古脳がどのように支配しているのかなど、興味深いテーマについて、最近明らかにされた知見と自身の研究成果をもとに分かりやすく解説する。
[目次]
女性は本当に男性よりおしゃべりか 日本医事新報(四五八二)六四 – 六五、二〇一二年
女性の脳と男性の脳はどう違う WHITE VOL1,NO.1,五二 – 五五、二〇一三年
1 はじめに
2 古い脳のセックス
3 新しい脳のジェンダー
4 新しい脳のジェンダーは社会/文化因子の変化に伴って変化する
5 おわりに
脳の進化学、中公新書、ラクレ、二〇〇四年
まえがき
第1章 地球の今をつくった現代人の脳 現代人の脳 現代人のルーツ 350万年前、サルからヒトへ 脳が大きくなるメカニズム(1) ネオテニー(若さを保持する)仮説 脳が大きくなるメカニズム(2) 生後の環境要因仮説 脳が大きくなるメカニズム(3) 最新の遺伝子解析を用いた研究から
第2章 情動をつくる古脳 攻撃性の生態学 攻撃は古脳がつくる情動行動 子どもの遊びの性差をつくる古脳 男性優位制成立に関する一考察
第3章 知性をつくる新脳 アメリカにおける男女の知的能力、33年間の統計 言語能力に優れているという女の脳 本当に、男性は数学的能力で女性より優れているのだろうか 女性の知性が、子に伝わる 空間能力に優れているという男の脳
第4章 性ホルモンにあやつられる古脳と新脳 古脳を性分化させる性ホルモン 古脳をあやつる性ホルモン 新脳をもあやつる性ホルモン
あとがき
[出版社からのコメント]
私たちにとって、脳はまだまだ分からないことが多い刺激的で魅力的な対象です。本書を通じて多くの方が脳の働きに興味を持ち、知見を深める一助としていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
田中(貴邑)冨久子
1964年横浜市立大学医学部卒業。 1969年同大学大学院医学研究科(生理学専攻)修了。 医学博士。 その後、同大学医学部生理学副手、助手、講師、助教授、米国留学などを経て、1985年横浜市立大学大学院医学研究科教授。 2004年横浜市立大学医学部長。 専門は、生殖生理学、神経内分泌学、脳科学。 日本内分泌学会(理事歴任)、日本生理学会(理事歴任)、日本神経科学学会(理事、会長歴任)、日本神経内分泌学会(理事、会長歴任)、日本生殖内分泌学会(理事、会長歴任)。雑誌「性差と医療」(じほう)の編集委員
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