「ハイブリッド医療」のすすめ──そのつらさ、諦める前に──
(著) 河村攻
Amazon作品詳細
――漢方薬「乙字湯」は、トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマと、次の何で構成されているでしょうか。
1.ショコウ、2.オオキミ、3.ダイオウ
正解は、本書第3章「乙字湯は便秘のクスリ?」をご覧ください。
身体がだるくて仕方がないのに病院へ行っても原因が分からなかったり、どんなに体調不良を訴えても気のせいにされてしまうなど、医学が進歩しているにもかかわらず、医療の蚊帳の外に置かれてしまっている方は多く存在します。本書は、長く医師として多くの患者と関わってきた著者が、これまでの統合医学や融合医学とは異なる新しい医学「ハイブリッド医療」を提唱し、医療の蚊帳の外に置かれてしまった人たちに蚊帳の中に入ってもらうための「医療の場で見方を変える」方法を解説した作品です。家庭でできるハイブリット医療についても書かれた本書は、医療従事者の方はもちろん一般の方にも参考にしていただける内容となっています。
[目次]
【推薦のことば】昭和薬科大学教授 田代眞一(医学博士)
はじめに
第1章 西洋でも東洋でもない〝第3の医学〟
医学のコーディネートとは何でしょう
なぜ今、東西医学のコーディネートが必要なのか
新しい医学――ハイブリッド医療
あなたに、漢方薬は本当に効きましたか?
東西両洋医学を使いこなそう
東洋医学との出会い
〝ハイブリッド医療〟を試みる
症例1「便秘と生理不順」
症例2「制がん剤による舌炎」
症例3「原因不明の腹痛」
症例4「放射線直腸炎」
第2章 西洋医学と東洋医学
ハイブリッド医療で治療範囲が増える
漢方薬治療の落とし穴
なぜ効くのかわからないから使わない?
〝東洋医学〟にも注意が必要です
東西両洋医学の正しいコーディネートとは?
失敗から学ぶ東西両洋医学の違い
第3章 東洋医学入門 ――そしてハイブリット医療へ
東洋医学の三つの概念
〝陰陽〟とは相対的バランス理論のこと
東洋医学の栄養学〝食養〟
東洋医学の最大の特徴〝気〟と〝経絡〟
〝気〟とは何でしょう
元気の出るクスリをください
〝経絡〟とは何でしょう
症例5「経絡の存在を知っていれば」
東洋医学の疾病理論
漢方薬と西洋医薬を比較してみましょう
漢方薬は名前が違えば効き目も違います
小柴胡湯の悲劇
乙字湯は便秘のクスリ?
膀胱炎には猪苓湯?
恋する心臓
第4章 これからのハイブリッド医療
ハイブリッド医療への道しるべ
症例6「自死さえ考えた激しい前胸部痛」
鍼灸の併用はハイブリッド医療への近道
症例7「経絡理論の注射への応用」
経絡理論の応用――瀉血療法
言うは易く行うは難いハイブリッド医療
思考回路を切り替えるのがポイント
中国での衝撃的な体験
日本にこそハイブリッド医療の土壌がある
第5章 家庭でできるハイブリッド医療
船酔いなんて怖くない
風邪の予防法
おわりに
参考文献
著者略歴
[出版社からのコメント]
東洋医学や西洋医学という区別は医療提供者から見たものであって、患者の側からすれば本当はどちらでも良いということなのかも知れません。本書の中にあるハイブリッド医学によって、より良い医療が提供されるきっかけが生まれれば嬉しく思います。
【著者略歴】
河村 攻(かわむら・おさむ)
公益財団法人 逗葉地域医療センター センター長
国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院内科部長、日立製作所日立戸塚総合病院副院長をへて現職
診療科 内科(消化器)
出身地 神奈川県
出身校 東京薬科大学、富山大学大学院薬学研究科、三重大学医学部
★日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
★日本東洋医学会専門医・指導医
★日本消化器病学会専門医・指導医
★日本内科学会認定医
★日本臨床腫瘍学会暫定指導医
但し、学会認定は、旧著発刊時のものです。
新刊情報