日本語の音声・アクセント:─外国人のための発音練習
(著) 浜島敏
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―音声学には、言語のDNAを探るような面白さがある―
人がコミュニケーションを図るために意識的に用いる音を研究対象とする「音声学」。日本語の音声学に関してこれまで出された本は、理論を中心とした研究書か、あるいは外国人等のための発音指導書の何れかであることが多かった。本書は、そうした日本語音声学の間隙を埋めるべく、音声理論と実践的な発音指導書の双方に言及した数少ない作品である。一般音声学の視点から日本語の音を概観し、音韻論による詳細な分析に発音指導のための練習問題を加えながら、日本各地の方言の発音上の特徴や、各国の言語との比較・対照とそれを母国語とする話者の特質にも目を向けた本書は、理論と実践の相互作用が音声学に新たな広がりをもたらす一書として、研究者、指導者はもちろん、一般の学習者にとっても示唆に富む内容となっている。
[目次]
まえがき
第一部 一般音声学・音韻論
1 音(SOUNDS)
(1) 言語音
(2) 音声学の種類
(3) 発音器官
(4) 文字と音
2 言語音の分類
(1) 放出音と入破音
(2) 有声音と無声音
(3) 口音と鼻音
(4) 母音と子音
3 調音方法
(1) 破裂音(閉鎖音)
(2) 摩擦音
(3) 破擦音
(4) 接近音
(5) 鼻音
4 調音点(調音場所)と調音者
5 音素
(1) 分節音素(segmental phonemes)
(2) 超分節音素(supra-segmental phonemes)
6 音素の設定
第二部 日本語の音と音素(異音)
1 分節音素
(1) 母音(Vowels)
(2) 口蓋化母音(palatalized vowels)
(3) その他
(2) 子音(Consonants)
(3) 特殊音素
(4) 外来音の影響
(5) 音の単位(音配列)
(5) 音の変化
Ⅰ. 朗読練習問題
1. 五十音
2. 『平家物語』
3. 『方丈記』
4. 『聖書』
5. たとい我(ワレ)もろもろの國人(クニビト)の言(コトバ)および御使(ミツカ)いの言(コトバ)を語(カタ)るとも、愛(アイ)なくば鳴(ナ)る鐘(カネ)や響(ヒビ)く鐃鈸(ニョーハチ)の如(ゴト)し。
2 超分節音素(SUPRA-SEGMENTAL PHONEMES)
(1) アクセント(Accent)
(2) イントネーション(intonation)
(3) ポーズ(pause)
(4) リズム(rhythm)
1. 発音練習問題
第三部 比較・対照音声学
1 英語との比較・対照
(1) 英語の発音上の特徴
(2) 英語母語話者のための日本語困難音
1.外来語音練習
2 フランス語との比較・対照
(1) フランス語の音声上の特微
(2) フランス語母語話者にとっての日本語困難音
3 スペイン語との比較・対照
(1) スペイン語の音声上の特徴
(2) スペイン語母語話者にとっての日本語困難音
4 ポルトガル語の比較・対照
(1) ポルトガルの音声上の特徴
(2) ポルトガル語話者にとって日本語の困難音
5 韓国語との比較・対照
(1) 韓国語の音声上の特徴
(2) 韓国語母語話者の日本語困難音
6 中国語との比較・対照
(1) 中国語の音声上の特徴
(2) 中国語母語話者の日本語困難音
7 フィリピノ語との比較・対照
(1) フィリピノ語の音声上の特徴
(2) フィリピノ語話者にとっての日本語困難音
参考書
補遺
[出版社からのコメント]
日本語を母国語とする私たちにとって当たり前のことが外国の人々にとっては当たり前ではなかったりする、そうした気づきは異なる言語を学ぶ醍醐味であると同時に、母国語をより深く理解するうえでも大切なことではないかと思います。日ごろ何となく使っている日本語という言語について、本書を通じて改めて考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
【著者紹介】
浜島敏(はまじま・びん)
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