プルトニウムを解毒し脱原発・脱核兵器への道を切り拓く「生物学」的思考法
(著) 森中定治
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――恐竜が絶命した時代に対応する、地質年代の区分における「K-T境界」のKは何を意味するか。
1.白亜紀 2.カンブリア紀 3.三畳紀
正解は、本書 第1章1節「K-T境界」をご覧ください。
「原子力の平和利用」という理想は、3・11によってことごとく崩壊した。しかし原発を破棄するという議論は進まないどころか、政治も社会も未だに原発に依存する思考から抜け出せていない。本書は、そうした状況の中で、生物学者である著者が学問分野の枠を超えて論じる、真に未来を見据えた思考の書である。脱原発をいかに考えるか、エネルギー問題を通して私たちはどう生きるのか、プルトニウムを消す技術から政治、哲学、経済学まで、生命という視点から問題に切り込み踏み込んでいく。原発論争やエネルギー問題に新たな視座をもたらす、比類のない一書。
[目次]
本書に寄せて
みちしるべ
はじめに
第一章 恐竜理論
K―T境界
K―T境界における巨大隕石衝突仮説(一九八〇年)
恐竜理論
ネズミを捕るのに虎を飼う
現在の原発の致命的な欠点
プルトニウムの影響
「もんじゅ」の現代的意味
プルトニウム・核廃棄物の処理方法を模索する
第二章 プルトニウム消滅!
古川和男氏との出会いと別れ
熔融塩原子炉(熔融塩炉)の特性
熔融塩炉とは
熔融塩を用いることで、多くの放射性元素が連続して核変換し消滅する
自然災害や、人間のミスによる誤作動に対して安全性が高い
燃料としてのプルトニウム熔融塩とトリウム熔融塩
プルトニウムの消滅、種々の人工放射性元素の核変換
劣化ウランを産み出さない
既存の使用済み燃料の処理方法
半分しか知らない原子炉
プルトニウム消滅!
熔融塩炉の大きな目的
オバマ大統領のプラハ演説
第三章 エネルギーをどうするか
なぜ経済を考えるのか
お金とは何か?
生命と富
新しい経済学
収益と求心力
脱原発の新思考
第四章 公共の土俵に上げる
真実の色
公共の土俵に上げる
ポジション・トーク
科学と科学者
第一章から第四章までのまとめ
終 章 環境なくして人間なし 人間なくして経済なし
人類の夢
人類の盾
あとがき
[出版社からのコメント]
学問の専門化・細分化が進む中で、学際的な視点を持つという態度は今後ますます重要となっていくだろうと思います。これまでとは異なる角度から原発問題を論じる本書は、私たちの未来をどう考えていくかについて、多くの示唆をもたらす内容となっています。ぜひ多くの方に、手に取ってご覧いただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
森中 定治(もりなか・さだはる)
生物学者(農学博士)
1949年 三重県四日市市生まれ
1972年 名古屋大学農学部卒業
同 年 中外製薬(株)入社 化成品開発~医薬学術部門
1994年 放送大学入学
2002年 日本生物地理学会会長に就任
2003年 名古屋大学にてチョウの分子系統学研究にて農学博士号取得
2009年 中外製薬を定年退職
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