なぜ沖縄の物産は売れ出したのか――地域を活かす最強のビジネスモデルと「売れる」ための方程式
(著) 宮城弘岩
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[商品について]
――1979年のオイルショック以降、従来の企業誘致の手法への反省として全国的に注目された「内発的産業興し」の運動の名称は、次のどれでしょうか。
1.一人一買運動、2.一村一品運動、3.一県一社運動
正解は本書「Ⅳ 自立化モデルの確立」をご覧ください。
米軍基地からの収入や観光産業といった外発的なもので経済を支えてきた沖縄で、著者は「ものづくり」を中心に据えた1つの大きな内発型産業の波をいかにして生みだしたのか――「わしたショップ」の開設や沖縄の物産の全国展開など、数々のプロジェクトで不可能を可能にし、無から有を生じさせ、新たなビジネスモデルを構築し現場にイノベーションをもたらしてきたその手法を惜しみなく公開。ものづくり、地域振興、そして新たなビジネスモデルを模索する方必見の1冊。
[目次]
わした展開の理念
はじめに──言葉ありき!
本書の各章ごとの趣旨
第一章 なぜ自立出来ない、沖縄経済
第二章 各県の販路開拓
第三章 本土市場進出計画と挑戦
第四章 自立化モデルの確立
数字の理解と資料
Ⅰ なぜ自立できないのか、沖縄経済
Ⅰ―1 沖縄の内発型産業興しの論点
Ⅰ―2 地域からの物産と産業化
沖縄のプレゼンテーション
地域物産の定義と産業商品化
Ⅰ―3 観光と物産の市場性
観光客とは
観光と物産市場 ―いかに非日常から日常化させていくか―
Ⅰ―4 「ものづくり」経済の必要性
Ⅰ―5 第二次産業はなぜ立地しないか
産業立地は人間の問題だ
Ⅰ―6 新たな視点と可能性
遅れつつある沖縄
沖縄のものづくりの課題
Ⅰ―7 物産展の求評会から
Ⅰ―8 二〇〇〇年の沖縄サミット
Ⅱ 各県の販路開拓
Ⅱ―1 各県の地場産品の展開
Ⅱ―2 一村一品運動の限界
Ⅱ―3 三セクの販売戦略の変化と現状
Ⅱ―4 主要三セクの変化と実績
Ⅱ―5 市場展開の体系化
Ⅱ―6 物産展ネットワーク
物産展の本質とあり方
公的機能を色濃くもつ物産協会や振興会の限界
物産組合と都市地区の専門業者とのつながり
地場産品業者だけの組合せ
プロ化した三セクの物産展マーケティングの特性
各地で開催される物産展から如何にビジネスフェア化していくか
Ⅱ―7 物産展からショップ展開へ
Ⅲ 市場進出計画と挑戦
Ⅲ―1 わしたショップオープン前後
「わしたショップ」の奇跡
「光と音と香り」
Ⅲ―2 「ショップ展開」と拠点づくり
あいつぐショップ展開
Ⅲ―3 アンテナショップ
それはアンテナショップから始まった
地域イメージの構築
パイロットショップとアンテナショップ
アンテナショップ事業の実態
Ⅲ―4 広報・宣伝としてのアンテナ・パイロットショップ
本格的な店舗展開の始まり
広報、宣伝と銀座パイロットショップ
Ⅲ―5 沖縄産品の市場特性
沖縄産品とその商品特性
Ⅲ―6 沖縄産品の商品開発
Ⅲ―7 沖縄特産物の考え方と商品開発
特産物から特産品へ
特産品から県産品へ
Ⅲ―8 各県のブランド開発、加工品のブランド化
Ⅲ―9 なぜプライベートブランド(PB)が必要になるのか
沖縄の製造業育成の視点から
本土企業側の強い要望からの量産化
集荷問屋卸の必要性から
PB(OEM)をつくらなければならないケースは
Ⅳ 自立化モデルの確立
Ⅳ―1 内発型産業の可能性、地域産業の創造への挑戦
Ⅳ―2 主要都市に向けた市場開拓の視点
Ⅳ―3 各県産品の定義と三セクの市場展開の問題
県産品等の定義について
Ⅳ―4 沖縄産品の再定義
Ⅳ―5 主要都市圏の企業モデル化
1 市場展開の方向
2 納入先別の時系列と企業内容による地域の活性化(拡大する事業とその特徴)
3 売れ筋商品と各企業 一九九九年八月のデータより
4 サプライチェーンマネジメント(供給連鎖管理)の展望
5 ビジネスモデルとして
Ⅳ―6 「この県のかたち」と「沖縄県経済の形成」―産業革命以前へ―
Ⅳ―7 物産公社物語
1 物産公社の成立の価値理念
2 市場展開の発見
3 新市場(ロジステック)への挑戦
4 変化への対応―卸の出番
5 物産企業のITへの取り組み
Ⅳ―8 これからの企業
あとがき──さらに夢の本流へ!
著者略歴
[担当からのコメント]
外発型産業から内発型産業の成長モデルへの転換など、本書で扱われているテーマは、大きなパラダイムシフトが起きつつある今だからこそ、より重要性を増しているのではないかと思います。個人もビジネスも自立が求められる時代の一書として、ぜひ多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
宮城 弘岩(みやぎ・ひろいわ)
1940年(昭和15年)生まれ、沖縄県南風原町出身
早稲田大学、国立台湾大学経済学研究所(修士)卒業
国際監査法人プライスウオーターハウス、(株)山崎鉄工所(ロボットメーカー、現ヤマザキ・マザック、在名古屋)、(社)沖縄県工業連合会専務理事、同副会長、(株)沖縄県物産公社代表取締役専務を経て、現在、(株)沖縄物産企業連合代表取締役。(社)中小企業診断協会理事、同沖縄県副支部長、中小企業診断士(工業)
[専門分野]
地場産業振興・地域経済問題、地域産品開発と販路開拓、FTZ(自由貿易地域)による産業振興論
[活動実績]
県内経済団体等及び国・県の各委員、県物産公社の創業者、若手企業経営者塾経営
[主な著書]
「中国近代市場形成の特質」(中国語文) 1969年
「ズバリ沖縄診断」第1集・第2集 1986・87年
「『沖縄発』の時代―その経済原論をさぐる」 1988年
「沖縄をこえるもの」裁 弘義との共著 1990年
「ポスト香港と沖縄」 1991年
「沖縄自由貿易論」 1998年
[主な研究論文・調査研究]
「沖縄の付加価値型産業と加工組み立て型産業の立地」(1991.p116)
「沖縄におけるOEM産業の成立とその可能性」(1993.p136)
「県産品の効果的広報宣伝の方策に関する調査研究」(1993.p112)
「東アジアにおける沖縄」(1994、沖縄大学地域研究年報)
「地域開発手法としての輸出加工区と経済特区」(1995、沖縄大学地域研究年報)
「わしたショップ」―拠点方式による県産品のマーケティング(1996、沖縄振興開発金融公庫)
「台湾」の中小企業とOEM」(1997、沖縄振興開発金融公庫)
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