日本はこうして世界のオートバイ市場を制した――メイド・イン日本の技術開発と産業化の歩み
(著) 出水力
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――習作期の成果として花開き、神社仏閣型と評されたホンダのバイクは、次のどれでしょうか。
1.J型ベンリイ、2.ドリームC―70、3.YDS―1
正解は本書「Ⅳ 国産オートバイの技術形成」をご覧ください。
HONDA、YAMAHA、SUZUKI、KAWASAKI――世界を代表する日本のオートバイメーカーはいかに生まれ、世界に羽ばたいていったのか。メーカーが乱立し激しい競争下にあった戦後日本のオートバイ業界から、やがて世界のレースで活躍して外需を獲得して王国の名に恥じない産業へと成長するまでの歴史を、主にホンダの挑戦を中心に豊富な図像と解説でダイナミックに描き出した日本オートバイ産業史。
[目次]
はじめに
Ⅰ オートバイの誕生
1 自転車の発達
2 ガソリン機関の実用化
3 蒸気自転車
4 オートバイのルーツ
5 オートバイの量産と基本構成
Ⅱ 国産オートバイの戦前史
1 日本で初めて走ったオートバイ
2 第五回内国勧業博と輸入オートバイ
3 オートバイの国産化と島津楢蔵
4 オートバイ企業の先達たち
Ⅲ 国産オートバイ産業化の歩み
1 飛行機屋くずれがスクーターを作った
2 軍用品の落し子バイクモーター
3 四畳半メーカー乱立期のオートバイ
4 外注オートバイ産業の町・名古屋
5 ポンポンの町・浜松
6 最後に国際舞台に登場したカワサキ
Ⅳ 国産オートバイの技術形成
1 模倣・習作から独創へ
2 モペットブーム
Ⅴ レースが育てたオートバイ技術
1 日本のオートバイレースの始まり
2 第一回全日本オートバイ耐久ロードレース
3 国産車国際レースに初参加
4 ホンダのTTレース出場宣言公表
5 本田宗一郎のヨーロッパ視察
Ⅵ 国産オートバイの世界市場制覇
1 国産オートバイ世界の檜舞台へ進出
2 レースに勝つ条件・高出力エンジン
3 国産オートバイ欧州へ技術移転
Ⅶ オートバイと生活
1 オートバイの現況
2 オートバイの未来
おわりに
参考文献
オートバイ博物館一覧
国産オートバイ年表
[担当からのコメント]
かつて日本のメーカーにあった夢と、その夢を実現させる汲めども尽きない情熱。本書は、そんな日本の製造業の情熱的な時代をオートバイという視点から眺めた戦後日本の産業史といえる作品です。オートバイが好きな方はもちろん、日本の戦後の高揚期を味わえる一書として、多くの方にお薦めの内容になっています。
[著者略歴]
出水 力(でみず つとむ)
1945年1月大阪生まれ
大阪府立大学(現在は大阪公立大学)大学院修了 工学修士(機械工学)、学術博士(科学技術論)
(株)吉田鉄工所(現在は合併してDMG森精機株式会社)の生産技術課、大阪府立和泉工業高等学校、京都大学人文科学研究所研究員、国立民族学博物館共同研究員、大阪産業大学経営学部教授、同大学院研究科長(技術経営専攻)などを経て現在は出水MOT研究所・代表者を務める。
2003年度 在外研究のためシェフィールド大学東アジア研究科客員教授
2007年度 招聘を受け東京大学大学院経済学研究科経営専攻客員教授
主な単著と編著
『水車の技術史』思文閣出版、1987年
『オートバイの王国』第一法規出版、1991年(自動車工業史中尾奨学金賞)
『町工場から世界のホンダへの技術形成の25年』ユニオン・プレス、1999年(日本産業技術史学会賞)
『オートバイ・乗用車産業経営史』日本経済評論社、2002年
HONDA: Its Technology and Management. Union Press, 2003
『中国におけるホンダの二輪・四輪生産と日系部品企業』日本経済評論社、2007年
『英国を中心としたEUに進出した日系企業の経営と技術の移転』大阪産業大学(産研叢書28)、2008年
『ホンダの生産システム ─第3の経営革新─』文真堂、2013年
『アセアンと南米に進出した日系企業の経営と技術の移転』大阪産業大学(産研叢書37)、2014年
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